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魔女。それは、己が一生を使い果たし、他者の幸福を運び続けるだけの「生贄」に他ならない。
ひとたびその契約に魂を染めれば、待っているのは千年という、あまりにも永すぎ、残酷な長寿だ。愛する者と同じ歩幅で歩むことなど、決して許されはしない。
「ふゎ〜あ〜」
目が覚めると、アイラが私のペンダントをいじっていた。
「アイラ?」
「う〜ん…大丈夫。やりたくてやってるだけだから」
彼女の指先が震えていることに、私は気づけなかった。その直後、廊下から無機質な足音が近づく。
ドアの下に差し込まれたのは、薔薇の紋章が刻まれた手紙。
「王家の紋章…? なぜアイラを『姫』と呼ぶの?」
問い詰める私に、アイラは激しく震え出した。私は彼女を抱きしめる。「大丈夫、私がついているわ」
その瞬間、彼女の心の糸が切れた。
アイラは叫ぶように告白した。私は祈りと共に魔女になったが、彼女は――何も願っていないのに、無理やり「実験台」にされたのだと。
突如、アイラの身体が禍々しい光に包まれる。
「嫌!嫌よ!セレン、助け――!」
光が収まった時、彼女の姿はなかった。狂ったように魔力を追いかけ、私が辿り着いたのは冷たい研究施設の培養槽の前だった。
「アイラ!」
ガラスを叩き割り、抱き起した彼女の身体は、驚くほど軽くて冷たい。
「ありがとう。楽しかったよ、セレン。逃げて……」
最後の魔力を振り絞った彼女の転移魔法が、私を強制的に弾き飛ばす。
「アイラぁぁぁぁーーー!!」