【お願い】
こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります
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ご本人様方とは一切関係ありません
ワードパレットでリクエストいただいた3つの言葉(サブタイトルになってます)を本文中に使用してのお話になります
R-18、すれ違い青桃
【桃side】
まろは行為の最中に、決して俺の名前を呼ばない。
いつからか始まったこの関係は、愛なんて甘ったるいものを授けてはくれなかった。
ただ互いに精神的な拠り所が必要なときに繋がるだけの、いわば共依存。
…表向きはそう取れるだろう。
まろからしても俺の本心なんて読み取れないに違いない。
髪を撫でてくるあいつは、きっとピンク越しに水色を見ている。
薄明かりの中でその目が自分を映さないことを思い知るのが嫌で、いつも俺はぐっと固く目を閉じていた。
「まろ…っ」
名前を呼ぶたびに、深い口づけで塞がれる。まるで「呼ぶな」とでも言うように。
俺がその名を呼べば、今こうしている相手がいむじゃないことを思い知るから?
そんな思考に至っては胸が張り裂けそうになる。
息をつくのも忘れそうなほどに奥を貪られて、ただ眉間に力をこめた。
目は閉じたままで快感に溺れるしか術がない。
「いつまで続くんだろうな、俺ら」
不意に、着替えながらそんなことを口にした時があった。
自分でも意図していなかった言葉に自身で驚いたけれど、まろは無感動で無表情にこちらを振り返る。
ベッドの上、まだ服を脱いだままの上半身をそこに起こして、視線をこちらに返した。
「ないこが本気になったら終わるんちゃう?」
平坦な声がそんな言葉を紡ぐ。
…何それ。俺がまろに本気で惚れたら終わりだよってこと?
ズキンと痛んだ胸の想いを吐露する勇気なんて、最初から持ち合わせていない。
それができるなら今こんな関係に持ち込んでない。
だから俺も無感動に「ふぅん」と素知らぬ顔で返事をすることしかできなかった。
ベッドの脇まで戻り、ちゅ、と音を立ててその唇にキスをする。
…ねぇまろ。お願いだから、
その唇で、俺の名前を呼んでよ。
【青side】
ないこは行為の最中に、決してその目を開かない。
この腕に抱かれながらも、固く目を閉じた暗闇の向こうに必死で別の色を思い浮かべているに違いない。
俺の青を越えて、もっと遠くの赤に焦がれているのかもしれなかった。
幾度体を重ねても、決して重ならない視線。
交差することのない想いは虚空を舞って露と消える。
「いつまで続くんだろうな、俺ら」
ふとないこがそんな言葉を口にしたことがあった。
言うつもりのない言葉だったのか、自分で驚いたように目を見開いている。
だけど、俺は知ってたよ。
いつかお前がこの関係に疑問を持って、自分の本心に従いたくなる時が来ることを。
「ないこが本気になったら終わるんちゃう?」
お前が本気でりうらを求め始めたら、きっとこの関係も消える。
その時が来たらこの手を離してやると、もうずっと前から決めている。
「ふぅん」
自分から始めた話のくせに、興味なさそうにないこは呟いた。
いつも行為の最中に繰り返し俺の名前を呼ぶその唇が、きゅっと引き結ばれる。
そのまま軽やかなリップ音を立てて、重ね合わせるだけのキスをひとつ。
「…なんなん」
「なんだろね」
ふふ、と笑って目を細め、ないこがまた「まろ」と小さく呼んだ。
「もっかいしよ」
俺の首に腕を絡めてくるないこ。…お前、今着替え直したばっかりやろ。
喉元まで出かかったそんな言葉は、息と一緒に飲み下した。
ないこの腕を掴み、噛みつくようなキスを返す。
名前を呼ばれるのが嫌で、声を漏らす隙もないくらいに、深く深く。
だって、呼ばれるたびに勘違いしそうになる。
一瞬でも赤じゃなくて俺の青を見てくれるんじゃないかって。
…なぁないこ。頼むから、
その唇で、俺の名前を呼ぶなよ。
コメント
1件
うわ~、っ…… すれ違い、完全にすれ違ってて 辛いですね。お互い噛み合わないせいでお互いが辛いまま身体を重ねてー マジ辛いですね…っ、両片想い.ᐣみたいな感じ。もう複雑に絡まってて、 見返せば見返すほど難しく交差していってて本当に凄いです。 更新ありがとうございます。 大好きです。