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「めめ!ふっかさん、充電切れちゃってる!」

撮影していたスタジオから戻り楽屋のドアを開けるとラウールの声が飛んできた。

周りを見渡すとソファの端っこで膝を抱えて小さく丸まってるふっかさんが居た。

俺の可愛い可愛い恋人のふっかさん。

ソファまで行き、前に座りこみ顔を覗き込む。

「ふっかさん、大丈夫?疲れちゃった?」

返事が無いし顔も上げてくれない。

でも、腕は伸びてきた。これは抱き締めての合図。

その手を取って抱き抱えてソファに座る。

背中をぽんぽんと優しく叩いてあげると胸に頭をグリグリと擦り付けてきた。


うーん。これはかなり疲れちゃってるなぁ。

普段、ふっかさんはメンバーの前では俺に甘えたりしない。

これは年に数回見れるか見れないかの、レアなふっかさんなのだ。

「めめ、ふっかの撮影終わってるし、全員の撮影ももう無いから帰って大丈夫だよ。早く休ませてやって」

「岩本くん、ありがとう、そうするよ」

「めめ、これ、ふっかの荷物。纏めといた」

「阿部ちゃんもありがとう」

阿部ちゃんがソファにふっかさんの荷物をおいてくれた。

初めてレアふっかさんを見た時、皆はとても驚いていたけど、直ぐに受け入れてくれて、今はこうして世話を焼いてくれている。

皆、本当に優しい人達だよね。

「ふっかさん、帰ろう。歩ける?それとも、このまま抱っこしていく?」

「………あるく……みんな……ごめん……」

解ったとふっかさんを膝から下ろしてあげると、 皆にペコりと頭を下げた。

自分のこの姿を見せるのを申し訳ないと思ってるみたいで毎回こうやって皆に頭を下げる。


「レアなふっかさんは貴重やから、謝らんといてなぁ」

「そうだぞ、謝んな!ゆっくり休め!」

「目黒、ふっかを頼んだよ」

「めめ、コイツを思う存分甘えさせてやってよ!」

「めめ、ふっかさんをよろしくね~」

「ふっかはもちろん、めめもしっかり休むんだよ!」

「めめ、運転気を付けて。ふっかを頼むな」

そう。皆、何とも思ってない。

もちろん俺も。

寧ろ、可愛い……可愛すぎるだろっ!!


すやすやと寝息が聞こえる。

俺の車の助手席に乗って揺られてるうちにすぐに寝てしまった、ふっかさん。

心配だから、今日は俺んちに連れて帰ってきた。

起こさないように慎重にベットに運んで寝かせてあげた。

今は可愛い寝顔を堪能しているとこ。

ふっかさんは優しすぎるから、色々と溜まりすぎちゃって心が疲れちゃう。

俺と付き合ってからはそれが表に出るようになってきて安心している。

それがレアふっかさんなんだよね。

隠して溜まりに溜まって体調崩して倒れちゃうとと大変だから。

たくさんたくさん甘やかして、愛されてるんだよって教えてあげなきゃ。


さて、可愛い恋人のために美味しいご飯作ってあげますか!

ずっと寝顔を見ていたのをグッと我慢して、髪をふわりと撫でおでこにキスをすると寝室を出ていく。

きっと、ふっかさんは「ラーメンが食べたい」って言い出すな。

あまりにも出前で頼むから禁止令だしてたんだよね。

1週間経ったし、禁止令を解除してあげようかな。

でも出前じゃなくて、作ってあげようかな。

インスタントラーメンだけどね。

野菜をたくさん入れてあげよう。

具は冷蔵庫の中を見て決めよう……


「もやしはあったはず……」

キッチンに向かい冷蔵庫の中を見ていると、後ろからギュッと抱きつかれた。

そのまま、背中に頭をグリグリされる。

甘えんぼうさん続行中。

可愛いね。

「めめ、おなかすいた……らーめんたべたい」

ほらね、予想通り。

「ラーメン作ろうと思ってたとこ。少し待っててくれる?」

「やだ、まてない……めめにぎゅってされたい」

はぁ…可愛すぎるだろう!!

寝起きのせいかぽわぽわしてて、発する言葉が全部ひらがなに聞こえる。

腰に回ってるふっかさんの腕を優しく解くと、振り向き正面から抱きしめてあげる。

「ラーメンよりも俺が先でいいの?お腹すいてるんじゃないの?」

「うん…れんがさき…いちゃいちゃする」

うわっ…名前呼びはズルいって…

しかも上目遣い。はい、あざとい。

佐久間くんが居たら、逮捕されちゃうね。

こんな可愛い姿は誰にも見せてあげないけど。

「俺、いちゃいちゃじゃ済まないかも」

「ふふっ…いいよ…」

ふっかさんのふにゃっとした笑い顔に胸がギュッてなる。

「もう、たつやが煽ったんだからね!」

まだ、ふにゃふにゃと笑っている本当に可愛いくてどうしようもない恋人をそのまま抱き上げて、寝室に向かうと、ラーメンは出前になってしまうなと思いながら、2人でベットに沈んだ。


END

ゴロゴロ雪だるま~短編集~

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