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ゴロゴロ雪だるま~短編集~

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ゴロゴロ雪だるま~短編集~

2 - 第2話 俺に大切にされてよ(緑紫)※黄桃要素ちょっとあり

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2025年08月18日

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「ふぅ……」いつものルーティンである勉強を終え一息吐く。

時計に目をやると23時を指していた。

そろそろ寝るか……

寝室に向かおうとする。

その時、インターフォンが鳴った。

こんな時間に誰だろうとモニターを見ると、そこに映っていたのは、ふっかだった。

急いでドアを開けて中に入れる。

「阿部ちゃん…こんな時間にごめん……」

今にも泣きそうなふっかを落ち着かせるようにソファに座らせ、隣に座る。

「大丈夫だよ。どうしたの?」

「照が……佐久間と付き合った……」

ふっかはそう言うと泣き出してしまった。

ふっかは照のことが好き。

俺はその相談にのっていた。

「佐久間がね…俺に1番最初に……伝えたかったんだって……照からも佐久間の相談に……のってくれてありがとうって……俺たちが付き合えたのは……俺のおかげだって…」

そう、ふっかは佐久間の相談にのっていた。

自分が照のことを好きな気持ちを押し殺して。

ふっかは優しいから……優しすぎるから……

佐久間からの相談を断れなかったし、真剣に向き合っていた。

でも、心が折れそうでどうしようもなくて、俺に相談してきた。

真剣に向き合った結果、自分の望まない未来になってしまったようだ。


「ふっか……」

泣き続けるふっかを優しく抱き寄せると、背中を撫でる。

ふっかは俺の腕の中で小刻みに震えながら泣きじゃくっている。

俺なら幸せにしてあげるのに……

ふっかから相談される度にそう思ってた。

俺はふっかが好きだ……

「ふっか……俺じゃだめかな?」

泣きじゃくっていたふっかが驚いた顔をして俺を見上げてくる。

「俺、ふっかのことが好き。俺にふっかのことを大切にさせて欲しい」

「……阿部ちゃん……俺……まだ……照のことが好きだよ……でも俺……ずるいんだ……阿部ちゃんに側にいて欲しい……」

涙を拭ってグスグス言いながら一生懸命伝えてくれる。

なんて可愛いんだろう……

「……ありがとう。今はそれでも良いよ。ゆっくり俺のこと好きになって欲しい」

「うん……絶対に……好きになるから……待ってて!」

ふっかはそう言って、ふにゃっと笑うとギューッと抱きついてきた。

すっかり涙は引っ込んだらしい。

抱き締め返し、「覚悟しといて」と耳元で囁きおでこにキスをする。


「……っ……知らない……阿部ちゃんだ……」

ふっかは不意打ちに顔を真っ赤にして、照れ隠しなのか胸に顔を埋めてグリグリしている。

「可愛いね、大好きだよ……ふっか……」

髪をくしゃりと撫でてやれば、胸に顔を埋めたままコクコクと頷くから、その仕草が何だか可愛くて、可笑しくて声をあげて笑ってしまった。

ふっかに目をやれば、耳まで赤くなっていた。

可愛いね、本当に……















ーーーーーやっと手に入れた




END





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