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 アレイシアとのお茶会を終え屋敷に帰ると父上から呼び出された。

 ウェルに今日のこと密告されたと考えつつ書斎は向かう。

 ついた時、険しい表情でソファーに座る父上と近くでティーポットを持って待機しているシンがいた。

「……実は先ほどアレン宛にこんな手紙が届いた」

「まさかソブール家からですか?」

「ソブール家からじゃないよ。宛名を確認して」

 書斎に入るなり、父上に手紙を渡される。

 宛先を確認してみると。

「パトラス侯爵……ああ、レイル様のところですか……これが何か?」

「……とりあえず座ってほしい」

 どうやら今日の件ではないらしい。

 ごめんよウェル、疑って。

 内心謝罪をしつつ、心当たりがあることを伝えると何故か父上は頭を抱えた。

 えぇ……と困惑するも座るように促されたので父上の向かいのソファーに座る。

「色々聞きたいことがあるけど、何故パトラス侯爵閣下のご子息と知り合いなんだい?」

「お披露目会の時に少し話したんです。……あれ?言ってませんでしたっけ?」

「……初耳だよ」

「すいません」

 あ、やべ。話すの忘れてた。

 事情説明のため話を進める。

 えーと。なんで知り合いかを聞きたいんだよな。

「えーと……レイル様とは少し話しただけです。手紙のやり取りをするほど仲良くないですし」

「……ちなみにパトラス侯爵家がどのようなお家かはわかるかい?」

「確か宰相をされてるんでしたよね?」

「ああ。ヘンリク様は陛下のご学友で最も信頼を置かれているお方だ」

 やつれてるなぁ父上。

 ……まぁ、考えはわかる。

 なんせ国のトップ2の人の家だからな。

 とりあえず手紙開けて中身を確認する。

「……お茶会の紹介状です父上!」

「はぁぁぁ」

「キアン様、今ハーブティを入れますね」

 喜ぶべきことのはずなのに、何故か父上は大きくため息をつきシンはすぐに良い香りのするハーブティを入れる。

 そのまま、父上は一気飲みをして、僕に話しかけてくる。

「お友達を作るように言ったけど、このタイミングで……よりにもよってパトラス侯爵とは」

「あの、何か問題でも?いいじゃないですか友達できるんですから」

「……わかってないのかい?」

「え?」

 父上は友達(仮)ができたことで喜ぶと思ったんだけど。

 だって、友達を作るように言ったのは父上のはず。だが、雰囲気を察するに少し違うらしい。

 わからないものはわからない。

 ここは素直に認めよう。

「すいません。わかりません」

「……そうか。すまないアレン、僕も慌ててしまってね。……別に悪いことではないんだ。パトラス侯爵家と縁ができることは良いことなんだけどね……はぁ。どうしたものか」

 父上はシンに視線を送り何かを悩み始める。……状況把握出来ないがどうやらまずい状況らしい。

 すると、シンが父上に耳打ちを始まる。

『キアン様、お話しした方がよろしいかと。香りのする蝋燭の開発や先週の勉学の態度からアレン様は間違いなく秀才。今後のためにも』

 そういえば最近、僕全く自重してなかった。

 いや、している余裕がなかった。

 アレイシア喜ばせるためとか、女装から自分の身を守るためとか。

 ……もう、色々と迷惑をかけまくったし、父上とシンの反応から重要なことらしい。

 しょうがない。これ以上は迷惑をかけたくない。

「少し難しい話になるけど大丈夫かな?」

 それでも父上は心配なようだ。

 ……今回も僕の行動が招いたことだ。

 散々迷惑をかけた。

 過度な期待をされないために今までは年相応を演じていたが、手遅れだし流石にもう演技はやめようと思う。

「父上、お願いします」

 僕は父上にそう進言した。

実は僕……すごく耳がいいんです〜乙女ゲームで感情のない人形と呼ばれた悪役令嬢は重度のあがり症だった〜

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