テラーノベル
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ふたりで横になって お互いの唇をついばむような 軽いキスをしながら ふたりでいる幸せを感じる
甘い甘い表情の智さん
はぁ……好きすぎやん
「らん……」
「ん?」
「藍も 俺も ぐしゃぐしゃだからさ……シャワー入りたい」
「あ……そうっすね」
シーツも 汗とかで 結構濡れている
「んで……ちょっと………寒い……」
「大丈夫?」
顔色 悪いかも
「ん………なんか……気が抜けた……」
「大丈夫っすか?起きれますか?」
「ん…大丈夫だけど……抱っこがいい……」
可愛らしく ふにゃんと 弱々しい
「じゃ お風呂ためてきます ゆっくり浸かりましょ?」
「うん……ありがと……」
数時間後
「え!?39度!!」
風呂あがりから 寒気が治まらず 智さんの熱を計ったら かなり熱が高い
ど どうしよ!病院に行かないと!!
「らん……大丈夫だよ……すぐ下がるから……」
「でも 熱 高いですやん!」
大丈夫やないって!
「前にも……あったし…」
だるそうに 起き上がる
「カバンに 解熱剤あるから…」
「わかりました!!すぐ 取ってくるから 起きんで 寝てて!」
確か リビングにあったはず!
寝室から リビングに戻って 智さんのカバンを探す
「あ あった!」
薬の入っているケースが カバンの中まで見なくても すぐわかった
「智さん はい 水飲めます?」
ベッドに横になる智さんに 薬と水の入ったコップを渡す
「サンキュ……」
つらそうに身体を起こして 薬を飲む
熱が高いからか 顔が赤くて 目が潤んでいる
「氷枕 ありますよ?作りましょうか?」
「そんなのあるんだ……なつかし……」
「おかんが 1人暮らしする時 押し付けてきたんす 小さい時から使ってたから まあ あって当たり前みたいな」
「……使っていい?気持ちいいよね……あれ」
「そうっすね じゃ 準備してきます 」
智さんからコップを受け取り 横になる智さんの頬を そっとさわる
熱いなぁ……
風邪とかじゃなくて 熱ってこんなに高くなんの?
智さんは 平気って言うけど やっぱ心配やんなぁ……
『智に よく言われるんだよ 熱が出やすいんだから 気をつけないとって』
なにげなく 智さんの言葉を思いだす
小川さんなら わかるかも…
でも むっちゃ気まずい
いや…
それどころか連絡して電話に出てもらえるかも わからない
はぁ……どうしよ…
キッチンで氷を冷凍庫からだしながら スマホに 何度も目をやる
智さんの……ためやんな
俺のこと 大事にしてくれる人のためやもん
考えたって仕方ない!
当たって砕けろや
小川さんの連絡先の表示を 意味ないけど 力を入れて押す
どうか!
めっちゃ謝るから 出てください!!!!
「何の用だよ……」
もしもし ではなく 明らかに出たくない様子の小川さんの声
「あの………さっきは……ごめんなさい!
あれから 智さんに めっちゃ怒られて
わけわからんことして すみませんでした!!!」
スマホを持って お辞儀して謝るって意味が 今 痛いぐらいわかる
「もしかして 智さん 熱出した?」
「え?なんで……」
俺 一言も智さんの熱のこと 言ってないんやけど
「やっぱな……また無理したんでしょ あの人」
どういう意味?
理解に追いつけない俺をよそに 小川さんは話を続ける
「とりあえず 悪寒以外 症状なかったら 大丈夫だよ
解熱剤 持ってるはずだけど…」
「それは …今 飲んだところです」
「そ…… あとは 冷却シートとかで 身体冷やせば段々下がると思う 下がらなかったら 智さんのかかりつけ医の連絡先送っとくから 連絡してみろよ
智さんの大学の同期さんが医者で いつ連絡しても大丈夫みたいだから」
「は…はい」
「じゃ……」
「いや!あの……」
「なに?」
「え……と……」
何か話さなきゃ なんだけど…うまく言葉が出ない
「必要なことは 全部話したから切るぞ…」
わぁ!切られてまう!!
「小川さん!!!」
焦って 大きい声になる
「バカ!デカい声出すなよ!!耳痛い!!」
「すみません!
あの……電話に出てくれて ありがとう…ございます」
「………俺は……出たくなかったけど………」
「はい…」
「健人が……出た方が……いいって……」
え?健人って……宮浦さん?
「智さんのことが心配なら 出た方がいいって言うから!!」
こんなこと 言わせるな!
と怒っている
小川さんが 素直に言うこと聞くのは バレー以外は 智さんぐらいじゃないか?
いや…初耳かも
「あの…小川さんが 智さんが熱出しやすいの 知ってたこと なんとなく思い出して…俺じゃ 不安で…」
「良くわかってるじゃんか……バカ藍が!」
「ホント……小川さんには 全然及ばないっす」
智さんの熱の対処は 完璧だ
自分の器の小ささが 情けない
「智さんは お前を選んだんだから しっかりしてくれよ!!次 無理させたり 泣かせたら 許さないからな!」
『宮浦と智がうまくいかなかったら 藍のこと 絶対許さないからな!』
ふたりして 同じことを言っている
俺には きっと このふたりの友情を越えた信頼は どう足掻いても 築くことはできないだろう
だけど 愛情は 負けない
絶対 智さんを幸せにする
「……こんなバカな俺だけど 智さんは『愛してる』って 言ってくれました
だから 俺も 智さんを愛します 必ず 幸せにします」
「…………じゃ 頼んだわ」
そして 電話は静かに切れた
それは 小川さんから 智さんを託された証の
『頼んだ』
この言葉 しっかり 受け取りました
智さんの待つ寝室に戻り 氷枕にタオルを巻いて 冷たくしすぎないようにして 智さんの頭を氷枕にのせる
「冷たすぎませんか?」
「うん 気持ちいい…」
薬も飲んで安心したのか さっきより 表情が緩い
「もう 眠ってください
小川さんが 智さんは疲れがたまると熱が出やすいから 休めば大丈夫だって 教えてくれました」
「とも……?」
「俺は まだ智さんのこと知らないことばっかで 小川さんみたいにはいかないけど 精一杯 支えますね」
「らん…あやまれ……たんだ…」
頑張ったね とベッドにつく手を撫でてくれる
「なんか……宮浦さんのおかげで…」
「あ……そっか……ふふ…」
何か 心当たりがあるみたい
「智さん うれしそう」
「うん……智も 藍も 幸せなのが 俺1番嬉しいから」
智さん…
「俺も 小川さんも…智さんのことが大好きですよ」
きっと 俺たちだけじゃなくね…
熱のある手を取り キスする
「さあ もう休んで…」
「うん……ありがとう…」
ゆっくり目を閉じて じきに寝息が聞こえてきた
はぁ…………
すっごい疲れたぁ………
俺も 寝よ………
智さんの隣に寝ころび 寝顔を見ながら 幸せな眠りについた
12×20
とりあえず ハッピーエンドです💓
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コメント
1件
読み終えました。熱を出した智さんに焦る藍くんの慌てっぷりがすごく伝わってきて、思わず「わかるわかる」と共感しながら読んでました。小川さんに電話するシーン、互いの気まずさの中にも智さんへの想いがちゃんと通じ合って「頼んだ」の一言に着地する流れが本当に良かったです。宮浦さんの影の采配も効いてますね。愛情と友情の形がそれぞれにあって、じんわりしました。ハッピーエンド、おめでとうございます。