撮影や衣装でレディースを着ることは珍しくないけど、今日は真っ白のふんわりしたブラウスを着させてもらった。
ボトムスも白いとろっとした素材のパンツで、緑の中で『妖精みたい』と言われながら撮影が進んだ。
俺たちの仲を知っているスタイリストさんから『目黒さんが今日の衣装楽しみって言ってましたよ』と聞かされ、1枚自撮りで写真を送っておいた。
撮影が終わり衣装を脱ごうとすると、『阿部さん、電話鳴ってます』と声がしたのでひとまずとる。
電話の相手はめめだった。
🖤「写真ありがと、めっちゃ綺麗。ね、俺が買い取るからそれ着て帰ってきてよ。その服で家デートしたい」
💚「えっ、うーん。聞いてみる」
衣装の買い取りを申し出ると快諾してくれたので、めめの要望通り衣装のまま帰ることにした。
めめから『あの花冠も可愛かった、あれも見たい』とリクエストが追加で入り、小道具の花冠もいただいてきた。
珍しいなと思いつつ、めめの家に到着していつも通り合鍵で中に入った。
💚「めめ?」
🖤「阿部ちゃん、おかえり。待ってた」
いつも少し生活感のある部屋は綺麗に片付けられ、ダイニングにかけるめめは白シャツに黒いジャケットを羽織っていた。
ちゃんとネクタイまでしていて、なぜかそこには俺が撮影で使ったアクセサリーと同じ飾りが着けられている。
💚「どしたの」
🖤「阿部ちゃんとしたかった事があって」
めめは俺を部屋の真ん中まで引き入れると、ふわっと抱きしめてきた。
🖤「今日は、プロポーズの日なんだって。俺たち今の制度じゃまだ結婚はできないけど、俺は阿部ちゃんが隣にいてくれたら他に望むものなんてないから」
そこまで言って手を握ったまま跪き、真っ直ぐ俺を見上げて優しい笑顔で
🖤「だから、プロポーズさせて。阿部ちゃん、これからもずっと俺と一緒にいてください」
💚「……」
突然のことで、嬉しいのに言葉が出ない。
めめの事は大好きだけど、漠然とどこかで男同士の恋愛には限界があると思っていた。
だから、いつかめめは俺との恋愛を1つの経験として手放し、女の人と結婚して子どもをもって生きる方が幸せなんじゃないかと。
でも、めめは俺がいたら良いと言ってくれた。
そして今無言で考えを巡らせる俺を不安そうに見上げ、俺の手を握って包み込むめめの大きな手が少し汗ばんでいるのに気づいて意識を慌ててこちらに戻す。
『これからもずっと一緒にいてください』
めめの言葉を反芻する。めめがそう思ってくれているなら、喜んでその思いに応えたい。
深呼吸を1つして、めめの手から抜け出し逆に外から握って包む。
💚「めめ、ありがとう。すごく嬉しい、俺もめめとずっと一緒にいたいです」
🖤「阿部ちゃん…俺こそありがとう」
これ、とめめは小さな箱を取り出した。
中には、シンプルなプラチナのリング。
教えていないのにサイズはぴったりだった。
🖤「受け取ってくれる?」
💚「うん」
めめが指輪をはめてくれ、立ち上がると『こっち来て』と窓際に手を引いて連れて行く。
💚「どうしたの?」
🖤「式やりたくて。結婚式」
💚「えっ」
コメント
8件
これをにこにこで書くミッチーを想像してホクホクしてる
わあー!!!きゃー!!!😭😭😭
阿部ちゃんはめめからのプロポーズに驚いてるけど、読者のワイからしたらもうキャー!!やっと言ったわねー!!なのよ🥲 そして返事もイエスなのよきゃーきゃーーーー