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ん………ぅん……?
……!はっ!
どこだ…ここ……?
目が覚めた時には何故ここにいるのか、自分が誰なのかすらわからなかった。ただ体つきから自分が男だというのはわかった。
白い天井、白い壁、白い床。広いともいえず、狭いともいえない不思議な空間で、そこには扉もなくて物どころかほこりひとつなかった。
ただ1人自分だけが真っ白な服を着て倒れていた。
“やっと気がついたか001号くん!!”
いきなり声が聞こえた。その声は幼く可愛らしい少女の声だった。
部屋のどこから聞こえてきているのか分からない。何が起こっているのか全く理解できない。少し冷静になって考えよう。
その声は僕のことを001号と呼んでいるらしい。
“君は僕が作ったAIの001号くんだよ!”
「えー…あい…?僕が…?」
思わず口にしたが目が覚めて初めて喋ったな、と後になって思った。
そして、その声は僕の問いに答えた。
“うん!体つきから声、性格まで僕が作ったんだよ!やっと完成したんだけどそのまま眠っちゃって目が覚めるまで待ってたんだよ!目が覚めてよかったぁ~”
僕は何となく理解しはじめた。
僕はこの声の人に作られたAIで完成した後も眠っていたらしい。
「何となく分かりました。でもあなたは誰なんですか?」
“あ~ごめんごめん!自己紹介がまだだったね!僕はこの世界の神様?みたいな存在でロボットとか作るのが趣味なんだぁ~!
あ!ちょっと待っててね、今そっち行くから”
そっち、というのは今僕がいるこの空間のことだろう。行くって言っても入る扉もないのにどうやって……
数秒後、僕の目の前に小さい女の子が現れた。髪はピンク色で肩くらいまでの長さだろうか、綺麗な空色の目で僕を嬉しそうに見つめている。
これがさっきの声の主…?
『やあ!はじめまして!やっと会えたね!僕の名前は…無いんだけどとりあえずそら博士とでも呼んでくれたまえ!』
「はぁ…そら、博士。」
『うむ。早速だけど僕が君を作ったのにはわけがある。さっき僕はこの世界の神様と言ったけど、この世界は大きく分けて3つある。
1つ目は宇宙という無限の空間に地球や太陽、月と呼ばれる星が存在し、人間や植物、動物などが暮らしている社会性世界。
2つ目は1つの広い空間に色々な生物が共に暮らしていて、社会性世界と違い皆が遊び、平和で楽しい、遊戯性世界。
3つ目は社会性世界と遊戯性世界で死亡した生物達の魂が送られそれだけが存在する、死後世界。
それでここは僕、神が存在する、空白空間という。ここは3つの世界と繋がっていてどの世界にも行き来できる。だが、それぞれの世界からはこの空間や他の世界には行くことができない。
…あ、説明が長くてごめんねぇ~!』
「なるほど、この世界のことは大体分かりました。それで僕はどうすれば…?」
『うむ!君には旅をしてもらう!!!』
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