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「えぇ!?じゃあ、何で?」
「それは…店長には、関係ありません。」
膝の上にのせていた手のひらを強く握りしめる。
店長は、少しの間黙っていたが、信号が赤になって停まったところで、口を開いた。
「言いたくないなら言わなくていい。けど、もし仕事を辞めて、また援交を始めるなら、俺は認めないよ。そんなことしたって何の解決にもならない。君はまだ若い。今からでも…」
「っ!!何も知らないくせにっ…!!勝手なこと言わないでくださいよ!!店長の言っていることはただの自己満足です!!こっちの気持ちを考えもしてない…!!理解しようともしない!!いいことを言う自分に酔っているだけの…ただの…自己満足…」
つい、声を荒げてしまった。身体中の酸素を全部使ったせいか、ハア、ハア、と呼吸が荒くなる。
こんなつもりじゃなかったのに。いつぶりだろうか。感情を露にしたのは。
店長は、驚いたように私のことを見ていたが、後ろからクラクションを鳴らされ、慌てハンドルを握る。
そして再び、沈黙が流れる。
「…悪かった。色々な事情があるのに、無神経だったね。俺には、止める権利はないよな。退職届け、受け取るよ。だけど…今すぐじゃなくてもいいかな。1ヶ月、待ってほしい。」
「いいですよ。引き継ぎとか、ありますしね。残された人のこと考えないほど、無責任じゃありませんし。」