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「社長~、おはようございます。朝ですよ」
「ん゛…」
俺がベッドの上で丸まっている巨体に声をかけると、彼はゆっくりと起き上がった。が、すぐにベッドから降りることはない。眠そうにしている。
俺はそれをちょっとだけ微笑ましく思いながら、彼の着替えを手伝う。大抵着替えの途中でクロコダイルはやっと頭が起きる。そして、俺の頭にぽんと手を置くように撫でてから洗面台の方へと向かっていくのだ。それが最近の日課になりつつある。
因みに俺は既に1時間前に起きて身支度は完璧に済ませてあるので、クロコダイルを起こしてからは朝食の準備をするのが常である。
俺はクロコダイルが歯磨きをする間に、コーヒーとトーストを用意する。この人の朝ごはんは大抵これだ。コーヒーとプラス何か。ちなみに俺は甘いカフェオレです。
クロコダイルは新聞を読みながら、トーストを食べ始める。俺はその間に使った調理器具やらを片付ける。
「今日は外回りですか?」
「あぁ」
「お昼頃帰って来られます?」
「そうだな」
「了解しました」
「あぁ」
そんな会話をしてからから出勤。今日の俺は書類仕事である。えへ、すごいいっぱいある~。これ今日中にちゃんと終わるんですか? え? 終わらなかったら残業しろって?? えへへ~。は?(憤慨)
なんて脳内で一人コントをしながら目の前の書類の山を見つめる。でもクロコダイルは俺の処理能力をちゃんと把握してくれてるから、無理難題は押し付けない。つまりこれは俺が出来る範囲内のもののはずだ。俺はペンを手に取って、書類に目を通し始めた。
俺は1人の時は狐の面を外している。あんまり長時間つけてるのもしんどいしな。