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ラウールが帰り、渡辺は緊張してきた。仕事の話って何?



渡辺ー目黒、仕事の話って?

目黒ーそう言わないとラウは帰らないから。

渡辺ー何だ。何かあったかと思って。

目黒ーしばらく踊れないね。

渡辺ーどんくさいからな。

目黒ーあっ、根に持ってる。

渡辺ー目黒も、そう思っていたんだろ?

目黒ーいや、翔太くん、可愛いなぁと。

渡辺ーどこが?

目黒ーおっちょこちょい?

渡辺ーむ〜。

目黒ー抱きしめていい?

渡辺ーん。



ソファに座る渡辺をヒョイと膝に乗せ抱きしめる。

びっくりした渡辺が腕から逃れようとする。だが目黒の膝からは動けなかった。足も痛いし腰も痛いし。自分で、そう言い訳しながら、目黒の胸にもたれる。




目黒ー腰、何ともなかったらいいね。

渡辺ーん、来週診てもらう。

目黒ー翔太くん、大好き。

渡辺ーん。



黙っていても気詰まりしない2人。

静かなときが流れる。

渡辺は目黒に抱きしめられたまま。

何だか落ち着く。いつの間にか、眠ってしまった。




目黒ー翔太くん?

渡辺ー・・。

目黒ー何か幸せなんだけど〜。

渡辺ー・・。

目黒ーちょっとくらい、いいよね。




渡辺の頬に唇を当てる。

キスとも言えないくらい、軽く優しく。渡辺が知ったらどう言うだろう。



渡辺ーんっ・・あっ・・ごめん。

目黒ー気持ち良く寝てたよ。

渡辺ー目黒に包まれて、気持ちいいかな。

目黒ー喜ぶところ?

渡辺ー喜べ。

目黒ーふふふ。

渡辺ーあったかいな。

目黒ー毛布とか持ってくる?

渡辺ー寝ちゃって帰れなくなる。

目黒ーだめ?

渡辺ー明日、朝早いからだめ。

目黒ーじゃあ、もうちょっとだけ。

渡辺ーふふふ。




そろそろ帰ると、立ち上がると。




渡辺ー痛っ!

目黒ーそっちの足に体重かけたら、だめじゃん。

渡辺ー忘れてた。

目黒ーやっぱり、おっちょこちょいだね。

渡辺ーたまたまだ。

目黒ー可愛い。

渡辺ーだから〜、俺は男、可愛いは当てはまらない。

目黒ーだって、可愛いもん。

渡辺ーその歳で、もん、はやめろ。

目黒ーいいの。

渡辺ー全く〜。



それでも、渡辺も笑ってる。

お前の方が可愛いじゃないか、と言いたい。でも、何か言われそうで黙ってる。

帰る準備して、ふと、寂しいと思ってしまった。目黒には内緒だ。この気持ちが何か分からない。



渡辺ー帰る。

目黒ー明後日は?

渡辺ーん〜、無理、ごめん。

目黒ーいいよ、友達とも出かけるだろうし、俺はいつも待ってるから。

渡辺ー重いわ。でも、来るから。来週かな。

目黒ー分かった。足も腰も気をつけて。

渡辺ーは〜い。じゃあまたな。





続く

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