自分は恋というものに人生を狂わされている気がする。
一度では無く、何度もぐちゃぐちゃになった。
私は恋に落ちてしまうと全てに盲目になり、執着をする、世間では面倒臭い女になってしまう。そんな奴だ。
恋は恐ろしい。こんなにも簡単に人生に絶望してしまうのだから。
私は少し前に想い人がいた。今でも彼のことは好きだ。でも、ある日、彼が私の知り合いと親しげに話しているのを見かけた。
瞬間、私はあり得ない程の嫉妬と妬みに襲われ、その日は何も考えられなかった。
別に、彼女のことを恨んでいる訳ではない。
でも、明らかに私の方がずっと一緒にいるのだ。それなのに何故、私の居場所を無くすのだ。
他の所から来た癖に、如何して…。
そこから暫く恋はしなかった。恋が私を狂わせたからだ、そう自分に言い訳をして。
今日の朝、本を読み終えると時計は午前四時。外に日が少し出ている。ああ、また朝が来たのか。
そう思い、ベランダに出た。
外では鳥が鳴いていて、少し時間が経つと一羽ずつ飛び去っていった。
鳥が泣き止むと今度は蝉が鳴き始めた。夏は朝から忙しいな…。
ベランダを出た。足元には数ヶ月前に拾った仔猫二匹が私を覗いている。いつもは鋭い瞳孔が、今日はとても丸くなっていて、可愛らしい。
「おはよう」
返事は返ってこない、それどころか、仔猫は何処かへ行ったようだ。
こんな朝が幸せだった。
恋なんて唯の幻覚に過ぎないさ。
もう一生孤独でも構わないな、思わず自分を笑った。
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