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3人でとりあえずチェックインを済ませた。
仲居さんに部屋に案内されたけど、とても素晴らしい和室でびっくりした。
窓からは、手入れされた趣のある庭園が見える。
ししおどしに鯉が泳ぐ池。
日本庭園なんて感激だ。
心から癒される。
朋也さんと一弥先輩が同じ部屋で、私は隣の部屋に1人で泊まる。
こんなに立派なお部屋を用意してもらって嬉しい。
贅沢過ぎるけど幸せだ。
感謝しなきゃ。
荷物を置いて、私達は旅館の中を歩いた。
素敵な若女将が、丁寧に案内と説明をしてくれた。
ポスターやCMに最適な場所を探しながら、カメラに納めていく朋也さん。
私は、本当はチームが違うんだけど…
とにかく今日は、朋也さんと一弥先輩のチームのプロジェクトが成功するように頑張ってお手伝いしようと思った。
ある程度撮影も終わり、夜になって、食事の時間を迎えた。
朋也さんは、目の前に並ぶ日本料理の写真を撮り始めた。
それが終わってから、3人ともお腹が空いてたから、早速豪華な料理をいただいた。
どれも本当に美味しくて、盛り付けも綺麗で繊細で、目でも楽しめた。
全てにおいて素晴らしく、また来たいと思わせてくれる旅館だった。
次は…誰と来れるかな…
ふと、そう思った。
食事が済んで、次はお風呂。
私は、一人で女湯に行った。
ちょっと寂しいかな。
でも、朋也さんと一弥先輩が2人で温泉に入ってるって…
やっぱり変な感じだ。
嫌だ、私。
一瞬、2人の裸を想像しちゃった。
自然に顔が赤くなるのがわかった。
ダメダメ。
想像しちゃダメ。
でも、あの2人が裸で温泉に浸かってたら、男性でもびっくりするよね…
月夜の下の2人が、あまりに綺麗で…
朋也さんも一弥先輩も細いけど、適度に筋肉もあって…
あ…
さっきから何考えてるんだろう…私。
ちょっと変だよね…
私は、温泉に浸かりながら深呼吸した。
それにしても、気持ちの良い露天風呂だ。
暗い空に浮かぶ月が、お湯にキラキラと反射してる。
思わずお湯を両手ですくってみた。
お月様がすくえるような気がして…
何とも言えない風情のある景色が、旅行気分を盛り上げてくれた。
時折、涼しい風が通り抜けて…
本当に…心地よい。
今夜は、私にとって特別な日になった。
あまりにも素敵な夜。
美味しいご飯に、あったかい露天風呂。
とことん癒されてる自分。
私はもう、これ以上ないくらいの幸せを感じていた。
『…このままずっとここにいたい…』
誰もいない露天風呂で、私は思わずつぶやいてしまった。
気持ち良すぎて、目をつぶると眠ってしまいそうだよ…
2人も、同じように幸せな気持ちになってるかな…
そうだといいんだけど…
私は、そのまま数分の間だけ目を閉じた。
また風が通り過ぎて…
私の顔を優しく撫でていった…