テラーノベル
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#溺愛
桜咲かな
174
18
#先生
なべたろう
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#12..貴方の本音は
転生を終えたりおんは、また別の名になっていた
でも私が要望した、現実に近い呼び名ができる名前にしてくれた
とても嬉しいと、素直に思った
転生が終わったあと、私達はまた何事もなかったかのように恋仲に戻れた
でもその時に言ってくれた貴方の言葉が忘れられない
深く傷付いたこと
私の予想は当たっていたこと
全てを教えてくれた
だから私は今できることをと、もう一つのサブ垢も消した
そして、フォローも貴方だけにした
最初は少し抵抗があった
でも今では悔いなどない
きっと今も言えていない本音もあるだろう
でも今はいい
それが言えるような人に私がなればいい
そう思えるようになってきた
まだ見えぬこの先の未来
どう転ぶかわからない4日後の手術
私はどちらになっても貴方を忘れない
一生愛していると、誓ったから
この言葉は嘘ではない
ただ伝えたいと思う気持ちから、ここまで持ってきた気持ちだ
このアプリ以外でも貴方と繋がることができた
私がこの方法をとった理由は、ここなら電話ができると思ったからだ
貴方がどう思っているかはわからない
できるかも怪しい
でも今はその声を聞きたい
【あ、ねぇ!りーちゃん!】
【今入れたアプリって、電話できるっけ、?】
調べたらわかるはずなのに、聞く
少しでも話したいから
〔うん、できると思う〕
〔どうして?〕
気づいているだろうに、貴方も聞いてくる
【ゃ、あの、!りーちゃんと、電話できるかなぁって、】
〔え、あ、たしかに〕
気づいていないふりが得意らしい
【できる…?】
そう書く手が、少し震える
無理だと言われれば、少し残念な気持ちになるだろうから
〔できるよ〕
そうすぐ返ってきた
現実の私は大きくガッツポーズ
【じゃあ、明日!明日の夕方でどう?】
〔うん、いいよ!〕
〔楽しみすぎる、w〕
【私もっ!】
今までにないくらい元気に返事
これを喜ばずどうするというのだ
明日とは言ったが、今からでも声を聞きたい
貴方と話したい
まだ笑顔でそこにいると、確証がほしい
「はあぁぁ…、1日は長いなぁ…」
そうして波乱いっぱいの事件は幕を下ろした
#13..声よ届け
やっと朝になった
あれからあまり眠れず、瞼が重い
今日は学校の講習だ
だから夕方からなら話せるのだ
いつも通り夏休みでも満員の電車に乗り込み、終点まで行く
都会のここは夏休みでも人が多い
銀の時計を通り過ぎ、ビルが立ち並ぶ方面へ
線路に沿って歩き出す
頭上の線路は新幹線や在来線がひっきりなしに通る
煩いったらありゃしない
6階までの長い階段を登りきり、いつもとは違う教室に入る
〈お、有川おはよ〉
いつも通り私の席に座っているこいつ
「…どけ、」
椅子を蹴る
〈あ、いてっ、〉
〈なーにすんだよ〉
「あんたが座ってるからでしょーが」
ちぇっと、情けない声を出す
今日の私は上の空
講習中も、午後のことで頭がいっぱいだ
そうしていたら、横に座っている榎本に肩を叩かれた
〈おい、今からペア実習だ〉
「はーい」
私たちが受けている講習は、介護の講習だ
そして何故か、こいつは私とペアになり、ベッド介護をしている
明らかにこれはセクハラだ
不可抗力とはいえ、お嬢様抱っこのように足に触れてくる
さすがにこちらも恥ずかしい
見上げた顔は、緊張しているのか少し強張っている
こいつぎ下手なせいか、先生にダメだしをくらい、もう一度することに
そんなこんなで対応に困る1日が終わった
家への帰路はもう暗く、眠りへと連れて行かれそうになる
眠りそうになる目を擦り、最寄り駅を通り過ぎる
今日は寝過ごしたわけではない
自ら乗り過ごしたのだ
最寄り駅から3駅、乗り継いで2駅行ったところに、星々がきれいに見える灯台があるのだ
貴方にこれを見せたかった
入れたばかりのアプリを開き、貴方への電話マークを押す
誰もいない日が沈む直前の灯台
ただ風の音だけが耳を擽る
ベンチの上で寝転ぶ
「あ、もしもし、?」
「りーちゃん、?」
この広い世界で繋がったと思われる電話に、声をかける
『あー、もしもし?』
聞き慣れない声に、少し驚く
「っ、やっと、声を聞けたね、w」
泣きそうになりながら、声を抑える
『今からそっちに行きたいくらいだよ、w』
貴方の声も私と同じように震えていた
でもどこか嬉しそうな声色で話してくれていた
そこから私達は日が暮れるまで話し続けた
会えたら話そうと思っていたこと
ずっと言いたかったこと
何気ない日々のこと
メッセージでは言える、恥ずかしい言葉
全部が新鮮で、私には初めての経験だった
「あ、見て!」
通話中のアプリを縮小し、カメラを開く
そして君に写真を送る
あの時のような力強く、それでも何処か儚げな星々の写真を
『綺麗…』
あの時とは違う、声に乗せた言葉で
「これを貴方に見せたかった、」
「ねぇ、好きだよ」
「どうしようもないくらい、貴方が好き」
「私にこんな気持ちを教えてくれたのは貴方だよ」
「何もかも初めてで、不器用で、それでも隣にいてくれた貴方が大好き」
「最低なことをしてる私だけど、これからも一緒にいてくれますか…?」
言えた
メッセージならなんら苦労もなく言える言葉
私の本心
声で伝えられた
今思えば、あの星空の日から、もう私は恋に落ちていたのかもしれない
叶わぬ気持ちだとわかっている
だから伝えることができないと、思っていたのに
『そんなの、答えは1つでしょ』
『もちろん』
その言葉1つを聞いて、私は涙を流した
目尻から耳の方へ流れ落ちる雫を拭うことはなく、ただ空だけを見つめていた
「…いつまでも愛してるよ」
これは直接は言えない
まだ伝えられない言葉
でも、いつか貴方の横に座って言えていたら嬉しい
次回➸#14
追加設定
『』
名前⇢坂戸.涼太(さかど.りょうた)
年齢⇢中3
性別⇢男
性格⇢優しい、友達思い
その他⇢心臓病、ネガティブな一面もある
コメント
20件
うわ……やば…… これは感動するしかない……語彙力が、…
涙腺崩壊した 、
#12と#13、一気に読ませていただきました。「声」というものがここまで重くて温かいものだと思い出させてくれる回でしたね。転生から戻って、サブ垢を消し、フォローを整理する——その一つひとつが「本音を言える自分になる」ための決意の連続で、胸が締め付けられました。特に星の写真を送る場面、あの時とは違う「声に乗せた言葉」で伝える告白。直接言えない言葉を「いつか」に託すラストの余韻が、とても美しかったです。