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side未雨
暗闇の中にいるが、それが現実でないのは一目でわかる。
目を閉じているのか、はたまた夢を見ているのか景色は見えないが、どこからか吹き抜ける風が心地よい。
でもとても寒い。
熱があるからだろうか?
滅多に風邪なんて引かないのにな。
・・・・・・未緒・・・
未緒はどこ?
私は無理矢理重い瞼を上げた。
掃除されて清潔に保たれている部屋の天井が目に入った。
体を無理矢理起こす。
隣で「あっ、、、」と声が聞こえ 反射的に飛びすさり距離を置き、声を発した相手を見た。
滑らかな白い肌に白髪でサラサラな髪の毛を肩下くらいまで伸ばした髪型。オレンジがかった瞳は大きく、可愛らしい人形のようだ。服はフードの着いた白色の半袖ジャケットに短めのジーパン素材の短パン。半袖のジャケットの下には黒いインナーを着ており、腕に十字が書かれた腕章をつけている。身長は小さくてせいぜい150くらい。声が高い。幼い顔立ちから子供に見えるそして、その少女にはとがった尻尾と少し曲がりうねっている2本の角という悪魔特有の特徴があるにもかかわらず、頭の上に溶けかかった天使の輪があった。
・・・どこかで聞いたことがある。
私の記憶が間違っていなければ、この少女は、キアノース国の幹部の”千流羽 華飛“という悪魔と天使のハーフ。
こんなのがいると言うことはここはキアノース国だろう。
確か気を失う前に青いマフラーが見えた。
かなりまずいことになっている。
キアノース国に連れて来られるなんて・・・
この国の幹部で魔法使いを片っ端から殺している狂人がいたはず。
・・・未緒がいない。
私は駆け出し扉を開けて廊下に出た。そのまま廊下を走る。
早く未緒を見つけなくては、、、
side のん
[先輩!ロゥ!未雨さんが!]
無線からハルの焦った声がする。
今のでだいたい察したわ。
[〈叶〉〜?どこにいるかわかる?]
[・・・東塔の3階。]
[おっけ〜]
よーし行くぞー!ってロゥもう行ってるじゃん。早いなぁ。
side未雨
廊下を走っていくと人影が見えた。
180くらいの長身の男。傷の入ったパーカー。
それがわかった瞬間に魔法で氷のナイフを作り、自分自身を浮かせ、男の首にナイフを当てた。 男は驚いたそぶりも見せず、静かに両手を上げた。
視界の端にもう一つ人影がある。
男の両手が視界に入っているので簡単に魔法をかけ手錠をつけた。
もう一つの人影を見る。
青いマフラー。ダークブラウンの髪。銀色の瞳。 私が思っている中で今1番会いたくない人物だ。
キアノース国幹部の”のん”。
あの戦争の時に前線を指揮し、自らも戦ってニンゲンを数えられないほど葬った人外。
そんな接近戦の得意な化け物と真正面から戦って私に勝ち目はない。
でも、今の状況ならなんとかなるかもしれない。
今私が人質に取っているのはキアノース国総統の狼冥 瓢。
群衆をまとめるのに長けていて、 武力ものんに負けず劣らずの実力者。 確か人狼だったはず。
真正面から戦ったら勝ち目はないが、国の最重要人物を人質にすればなんとかなるかもしれない。 それが私の狙いだ。
さっきからこちらを見ていたのんが少し首を傾け視線を後ろにずらした。
その数秒後、 慌ただしい足音と共に3人の人物が走ってきた。
銀髪で吊り目、冷たい瞳の人外。
癖っ毛の灰色のショートカットに柴犬のような耳を持った紅い瞳の人外。
それとさっきあった華飛だ。
落ち着いていれば名前を思い出せそうだが、あいにくそんな余裕はない。
名前のわからない2人は私を見て一瞬目を見開き、事態を理解したのか姿勢を低くして戦闘体制に入っている。
やばいっ
流石に数で負けている。勝てない。
なのにあちらはもう走ってきている。
ナイフに力を入れようとした時。
のんが右手を横に出し2人の動きを静止させた。
「ッッ・・・先輩ッ?!」
「・・・先輩どけてくださいッ!」
今にも襲いかかりそうな様子で武器を構え、走り出した瞬間に手を出されたため、2人は急ブレーキをする。
のんは少し視線をずらし、考えているような仕草をするが、静止させた手を下ろすそぶりはない。
「・・・先輩ッ!」
「・・・まぁまぁ・・・ちょっと落ち着いて?」
2人を安心させるかのように優しく言うと、空いている左手で左の耳に手を当てている。
・・・無線??
そのまま、のんはこちらには聞こえないくらいの声で何かを呟いた。
それから0コンマ数秒後
今いた景色とは変わり、 一つの部屋にいた。
その部屋にはベッドが一つあり誰かが寝ている。
その人物が見えた瞬間、私は無我夢中でベッドの横に向かった。 ベッドの中にある穏やかな寝顔を見て体から一気に力が抜ける。
「・・・よかった・・・っ・・・」
狼冥 瓢:ろうめい ふく
千流羽 華飛:ちるう はるひ
未雨:みう
未緒:みお