この話はポケモン×カンヒュのクロスオーバーです。
国達の手持ちポケモンは全て独断と偏見です。
リザードンをゲットしてから3日が経った。
初めてのポケモンでまだまだ戸惑うことも多いが、日本と韓国が手厚いサポートをしてくれるおかげで何とか助かっている。
俺の国民達の中にもポケモンを持つ奴らが増えてきていて、政府がポケモン関連の法整備を急いでいる。
勿論、あの二国に習う感じで。
環境がどんどん変わっていく今。どうやら親父と俺以外の奴らもポケモンをゲットしたらしい。
敵情視察(?)も兼ねて、今日の俺は……….
「おーい日本!一緒に他国の奴らのポケモン見に行こうぜ!!」
日本国内に位置するポケモン研究所に来ているんだ!!
….しっかし広いなぁ。こんな巨大な建物を短期間で作るなんて、行動力の無い日本の上司にしては珍しいんだぜ。
廊下を歩きながら、俺は日本を探す。
「日本〜?居るのは分かってんだぞー!」
「あれ〜?もしかしてアメリカ?」
キョロキョロ辺りを見渡していると、視界の隅に白い猫耳が映った。
あ、このcuteな猫耳は……!
「にゃぽん!!」
「ここに来るなんて珍しいねぇ、どしたん?」
「日本知らないか?
今から他国の奴らのポケモン見に行くから、アイツ誘って行こうと思ったんだが…」
事情を説明してみたが、返ってきたのは残念な事実だった。
「あー….お兄ちゃんなら今韓国と一緒に研究室篭もってるんだよね。
何でも、高品質のポケモンフーズ開発に忙しいらしくてさぁ」
ポケモンフーズとは。
ドックフードやキャットフードの様な、ポケモン専用のご飯である。
ポケモンの個体によって味や食感の好みは大分異なるので、実は今ポケモンフーズは不足しているのだ。
各国の食品業界は量も質もより高いものを早急に求められているので、最近ではポケモン研究所も開発に駆り出されているらしい…
しかし、それなら強引に連れ出すのは無理そうだ。
「食品開発は大変だな….しゃーねぇ、一人で行くかぁ……」
悲しいが、一人で調査に行く他ない。
本当は誰かと行きたかったという気持ちを抑えて、移動手段のリザードンを出そうとボールに手を伸ばした時。
「にゃぽんが一緒に行ってあげよっか?」
「え?」
思いがけなく嬉しい一言だ。
だが、シスコンの日本に黙ってこの子を連れ出して後で文句は言われないだろうか……?
小さな不安が頭をよぎったが、にゃぽんは満面の笑顔で話し始めた。
「私まだ皆のポケモン見てないんだよね〜!
どんな子ゲットしたのかなぁ?すっごく気になるの!」
「うっ………..」
笑顔が眩しい….!!親父やナチス辺りがよくやる古参臭い笑顔とは大違いだ!
世界のHEROとして、こんな純粋な笑顔を曇らせてはいけない。
そう決意したアメリカは、右手でグッドサインを作って願いをOKした。
「……じゃあ一緒に行くか。」
「わーい!それじゃ、れっつらご〜〜〜!!」
…………….拝啓日本へ。
お前の妹ちゃん、ちょっとお借りするぜ。
空。
ひつじ雲がチラホラ浮かぶ大空の下、
俺とにゃぽんちゃんはそれぞれのポケモンに乗って澄み渡る空気の中を滑空していた。
「FOOOOOO!!!!!
おいリザードン、もっと飛ばせるか!?」
「ギャゥウウウウ!!!!!
(無理に決まってんだろこのデブご主人んんぅうううう!!!!!)」
「よぉし、そのままLET’S GOだぜ!!!!」
重量級のアメリカを背中に乗せているリザードンは、とても辛そうな顔をしながら必死に翼を動かしている。
そんなリザードンの様子に、にゃぽんのトゲキッスは哀れみの目を向けてため息をつく。
「ちくちっく、ちくぅ……
(うわぁ地獄絵図、うちのにゃぽんは軽くて良かった……)」
「リザードンどうしたんだろ?お腹空いちゃったから鳴いてるのかな?」
「ギャウ〜〜ッ!!!!(違ぇえええ!!!!)」
あぁ不憫 鳴く子も黙る その重み
俳句ができてしまった……
悲しきかな、コミュニケーションとは難しいのである。
特に言葉の通じないポケモン相手だと、尚更。
「あ….おーいアメリカぁー!
フランス姉さんの家見えたからそろそろ下りるよ〜!?」
「本当か!?よしっ降りるぞ!リザードン!!」
「ぎゃぅ……(たすかった……)」
降り立った場所は、花の都・パリの街。
古めかしくも洒落た洋風建築の建物が立ち並ぶ中、やはりこの街にも多くのポケモンが暮らしていた。
その光景はさながらカロス地方の様だ、とにゃぽんは昔遊んだシリーズを思い起こす。
「はわわ….!リアルカロス地方だぁ…..」
「此処にもポケモンがいっぱい居るな!んで、フランスは何処に………」
キョロキョロと辺りを見渡していると、遠くからきゃあっと歓声が聞こえてきた。何かのイベントだろうか?
そんなことを思っていると、隣のにゃぽんが素っ頓狂な声を上げた。
「あっ、アメリカ!あっち見て!」
にゃぽんの驚いたような声に思わず視線を向けると、そこに居たのは…..
「フラエッテ、ようせいのかぜ。」
さぁっと桃色架かった風が吹き抜け、花のような香りが鼻控をくすぐる。
あ、この如何にもプライド高そうな声は……..
「フランス姉さん!!」
「え?……っあら?にゃぽんとアメリカ!?」
人々に囲まれ、花のようなポケモンと戯れていたのはフランスだった。
パフォーマンスショーのようなものでもやっていたのだろう、彼女の周りにはキラキラした光の粒が舞っている。
そして、彼女は国民達に軽く会釈した後こちらに向かって走ってきた。
「世界会議ぶりね、二人共。何か用かしら?」
「私は皆の調査してるんだ〜。
どんなポケモン捕まえたのかとか、育て方とか。アメリカは私の付き添いだよ」
「まぁ。えらく豪華な付き添い人ね….」
「えへへ、すごいでしょ〜」
「なぁフランス!それでお前はどんなポケモンゲットしたんだ?」
レディー同士で盛り上がる前に、軽く質問を入れてみる。するとフランスは嬉しそうな顔をしてこう言った。
「ふふ、とっても素敵な子をゲットしたわ!
家に来なさい。うちの子達を紹介してあげる」
一瞬顔を見合せた後、
にゃぽんとアメリカはいつになく上機嫌なフランスの足取りを慌てて追って行ったのだった。
フランスの家は、洋菓子と花の香りが入り交じったお洒落な外装だった。
カランコロン、と入り口のドアの鈴が鳴ると奥の方から軽い足音が聞こえてきた。
「マホマホ!」
「ドーブ!」
「あ……この子達って!!」
「紹介するわ。マホイップとドーブルよ」
元気な声を上げた二匹は、気取ったようにお辞儀をする。
───マホイップ。全身がクリームで出来ている愛らしい見た目が特徴的なフェアリータイプのポケモン。
どうやらフランスがお菓子作りをする時に手伝ってくれるらしい。
ドーブルはノーマルタイプの犬系ポケモン。
尻尾が絵の具の形をしているので、フランスが絵を描く時に重宝している唯一無二の存在だ。
「どっちもフランス姉さんらしいセレクトだね!」
「マホイップとドーブルって言うのか。……何かマホイップって美味そu「アメリカ??」何でも無いぜ!!」
もう、とぷりぷり怒るフランス姉さんを宥めていると玄関のチャイムが鳴った。
「あら、もうあの子も来たのかしら」
「あの子?」
がちゃり、とドアを開けた先に居たのは….
「母さん来たよ……って、にゃぽんちゃん!?」
「カナダくん!?」
訪ねてきたのは、フランスの息子的存在であるカナダだった。
後ろにはミツハニーとパウワウを連れていて、彼もポケモンをゲットしていたようだ。
「久しぶりだね!にゃぽんちゃんも来てたんだ」
「こちらこそ久しぶりぃ〜!アメリカもいるよ!」
「あれ、兄さんいたんだ?気付かなかった」
「カナダァ??」
すっかり生意気になった弟に圧をかけておくが、本人は気にも留めずにミツハニーと戯れている。……くっ、昔はもっと可愛かったのに。
「わぁ!ミツハニーとパウワウゲットしてたんだ!かわいい~」
「ふふ、ありがとう。
メープルも美味しいけど、最近だとミツハニーが作る蜜もパンケーキに使ってるんだ」
パウワウとは一緒にスノボやるけどね、と微笑むカナダ。
彼も相当ポケモン世界に馴染んできたようだった。
ポケモン先進国のにゃぽんとしては、思った以上に人々の理解が寛大で少しホッとする。
いつか皆も一緒に、この先の課題に取り組めるといいな…
「そうだ、二人もパンケーキ食べていかない?今から母さんと作るんだけど…」
「パンケーキ!?YES YES!!!! 俺も手伝うぜ!」
「お願いだから座ってて頂戴」
「ゑ」
「にゃぽんも食べて行くわよね?……にゃぽん?」
「…………へ?」
色々考え事をしていたにゃぽんは少しレスポンスが遅れてしまう。
フランスは心配そうに顔を覗き込んできた。
「体調悪い?大丈夫?」
「あ、うぅん…大丈夫だよ!」
それより何の話だっけー、と話を逸らすにゃぽんを訝しげな目で見つつ、フランスはパンケーキの話題に戻したのだった。
そんなこんなでパンケーキをご馳走になってフランスを経った後。
二人は色んな国を巡り回った。
「ドイツくんのポケモンかっこいい〜!!
コイルにガントルにルガルガン(まひるのすがた)って、いかにもドイツくんらしいね」
「あぁ…コイツら仕事も手伝ってくれるから助かってるよ。
ポケモンって凄いんだな」
「ナチス!!!!如何にもって感じの劇薬投げてくんのやめろっt、AHHHHHHH!?!?!?!?」
「ハハハハハハッ!やってやれマタドガス!!奴を化学実験の被検体に….」
「アメリカぁあああ!?!?!?」
「わぁぁあ!!ミロカロスにネオラント、シャワーズとサニーゴもいる!
イタリアくんはイタ王さんと一緒に水統一してるんだ!」
「みずタイプの子はベッラ揃いだからね!
ナンパ相手沢山で天国みたいなんね〜♡」
「なぁイタ王、何で俺は拳銃向けられてんだ?」
「脳内ハンバーガー野郎はうちの子達に近付かないで欲しいんね。穢れるんね」
「喧嘩売ってんのかてめぇ!!!!」
「えーっと…
ソ連、アメリカに襲いかかってるデカヌチャンとリングマ何とかしてくれない?」
「面倒くせぇ。そんな事よりにゃぽん、
アメリカなんか放っといて俺の所でポケモンの知識をコーチして欲しいんだが……」
「お兄ちゃんに怒られるんでそれはちょっと….」
「クソコミーマジで覚悟しとけよごらぁああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
「父さん何してんだよ…うわ、クソアメリカだっさ(笑)」
「止めてよバカロシア!!!!!」
……そんなこんなで調査を終えた後、私はチェリムと共にボロボロになったアメリカの手当をしていた。
「アメリカ、大丈夫…?」
「HAHAHA…俺は世界のHEROだからな、こんなのかすり傷ッでデデデ!!!!!!沁みる沁みる痛っでぇえええええええ!!!!」
「ちぇりぃいいーー!!!」
「あああごめんん!!もうちょい優しくやるから….!!」
それにしても…マダドガスのどくガス攻撃にミロカロスのハイドロポンプを喰らい、
おまけにデカヌチャンとリングマのワンパワータッグに追いかけ回されて生きているなんて流石アメリカである。
にゃぽんとしてはドン引くレベルだが、アメリカはにゃぽんを守れたのでそれはそれでいい(本当はよくない)らしいが….
「というか俺よりも、にゃぽんは大丈夫なのか?」
「え?」
「いや、なんかずっと表情曇ってたから何か悩み事してるのかと思ってな」
時が一瞬止まった。
え!?KY世界代表国家のアメリカでも分かるくらい顔に出てたの!?!?
「何か失礼なこと考えたよな今」
「そそそそそそんな訳….」
「どうせ日本と同じく、ポケモンが迫害されないか悩んでたんだろ?
そんくらい分かるっつーの」
すくっと立ち上がって、空を仰ぐ。
─────ピジョットやオオスバメ、アゲハントが飛び交う碧き空。
街で人々と仕事をしたり、笑い合っている光景。
そして、それらを優しく受け入れてくれた世界。
「今まで色々回ってきたけど、最初ビビってた癖にアイツら結構enjoyしてたよな。
少なくとも、お前が一番心配してたことはもう無いだろ?」
アメリカの言葉に、にゃぽんは目を閉じて思案する。
….最初は勿論不安でいっぱいだった。
いきなり世界が様変わりして、しかもそれは私達が作り出した『架空の存在だったはずのもの』が出てきて。
でもポケモンは私にとって大切な存在。
騒動の最中で何かあの子達が傷付くことになったらどうしよう?
不安で不安で堪らなかった。
……でも。
「問題は全部解決した訳じゃないし、寧ろもっと増えていくと思う。でも….」
私は独りじゃない。たった2つしか無かったポケモン先進国だって、これからもっと増えていくだろう。
その分、頼りになる国も比例して増えていく。
だから全く手に負えないなんてことは無い!
「皆が支えてくれるから、きっと大丈夫!」
私の返答に、アメリカはニッコリ笑って頭を撫でてくれた。
「その答えを待ってたぜ。俺も同盟国として、お前らにゼンリョクで追いつくからな!」
「うん!」
絶えず変わり続けるこの世界に、希望の光が影を差す。
そう、これは二つの世界が交わった物語である。
『 さぁ ぼうけんの はじまりだ ! 』
To be continued…?
コメント
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うひゃああああああ!!!!!!!久しぶりの更新だあああっ!!!!!!ᐠ( ᐙ )ᐟ みんなのポケモンめちゃ可愛い...( ◜ࠏ◝ )👍 ていうかカンヒュのみんなもポケモンの子たちも可愛いねッッッッッッッッッッ(^p^)
やったァァァァァァ!!!!!
やったぁぁぁぁぁあ!!!待望の更新すぎるっっっ!!!というか、毎回わたあめ様のポケモン選びに共感しかない…!!!!特に🇬🇧ちゃんがラルトスで、しかも色違いだったの本当に好き!!!! フランスねぇ様はフェアリーと犬系!!!かわいいいい、フェアロッテは何色かな、?????水色だと個人的に嬉しい((( カナダ君もホントにマッチしてる…、 ドイツ君が基本的に電気とか鋼系なの知的で可愛い…、あと、からのルガルガンは反則過ぎる!!!忠犬なんだろーな…っ ソ連とロシア親子が使ってるのがいちいち可愛い…確かにくまと金槌なのわかるがデカヌチャンっっ!?!? というかイタ家、水タイプ揃えてるの上級者で尊死。 確かにベッラ揃いなの同意!!!!