アゲハ「パワちゃん!!」
パワちゃん「…………」
アゲハ「ぁ…ごめん…ごめんなさい…」
アゲハは顔を歪めて目に涙を滲ませる
だが、パワちゃんはフルフルと顔を横に振るだけ
アゲハ「ごめんなさい…ごめんなさい……」
目尻に溜まっていた粒が重力に耐えられなくなり、アゲハの頬を伝った
フブキ「アゲハ……」
フブキも目に涙を浮かべてアゲハを見やる
それでもパワちゃんは只管頭を横に振るだけだった
タツヒト「アゲハさんと姫川君は!?」
タツヒトは焦りに焦りまくってパソコンの画面を凝視する
画面には、涙を流すアゲハとフブキの姿があった
タツヒトは「…良かった…無事だ……」
すると、パワちゃんが大きく腕を振り翳し、飛行船にガンッ!!と大きな岩をぶつけた
画面はパリンッと割れ、ブツリという音と共に真っ暗になってしまった
タツヒト「っ…追跡はここまでか……
何か新しい手を考えないと……」
タツヒトは眉間にしわを寄せて口元を歪めた
フブキ「もぉ~…無茶しすぎだよ」
夕方の砂漠。
オアシスのある木の根元にパワちゃんを凭れ掛けさせる
フブキ「いくら痛みを感じないからって、メカが傷つくのは嫌なんですけどっ」
フブキは愚痴りながら外れてしまったパワちゃんの左腕の関節をドライバーで直す
アゲハ「ごめんね、パワちゃん…私を庇ったせいで……」
アゲハは未だに自分を責め、体育座りをして膝と膝の間に顔を埋める
フブキ「でも、アゲハがあの時パワちゃんを押さなかったら、
今頃パワちゃんは阿波戸先輩たちに破壊されてたかもしれないのよ?」
アゲハ「でも…」
膝と膝の合間から透明の雫が落っこち、砂にじんわりと染み込む
パワちゃん「…………」
パワちゃんは自身の大きな手で、啜り泣いているアゲハの頭を優しく撫でた
アゲハ「…!……パワちゃん…」
アゲハは顔を上げ、パワちゃんを見つめる
アゲハ「もしかして、慰めてくれてるの…?…私は悪くないって…」
パワちゃん「コクッコクッ」
忙しなく首を縦に振るパワちゃん
アゲハ「へへ…あの時のパワちゃん、すっごくカッコよかった!」
パワちゃん「……!!」
アゲハ「私とフブキちゃんを助けてくれて、ありがとう」
夕日に照らされて微笑むアゲハの顔は、とても儚い
どことなく照れ臭そうな仕草をするパワちゃんはアゲハから顔を逸らし、頭を掻いた
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続き待ってます!!