屋上は特等席だ。
何も考えずに眠れる場所。
家も勉強も好きじゃないから、登校はするけどいつもここに来る。
はじめのうちは先生が呼びに来たりしていたけど、それが中学からつるんでた佐久間に変わった。
その佐久間も、編入してきた財閥の跡取りと仲良くなってあまり様子見に来なくなった。
クラスでも一目置かれる存在になっているらしい。
別にいい。構って欲しい訳じゃないから。
絶好の昼寝日和で、俺はいつもの場所で寝転がって目を閉じた。
💙(……?)
微かな煙草の匂い。
誰か吸ってんのか?そもそも誰かいるのか?
眠くて身体が怠かったけど、何となく確かめてみたくなって起き上がり、屋上出入り口を一周してみた。
💙「うわ」
俺と反対側に、そいつはいた。
一言で表すならインテリヤンキー。
いかつい見た目で煙草をふかしている。こんなん誰が注意できるんだという雰囲気。
インテリヤンキーもこっちを見て、気まずい沈黙が流れた。
💛「吸います?」
インテリヤンキーが口を開いたかと思えば、煙草を差し出してきた。
敬語で。
💙「え、3年じゃないの」
💛「俺1年です、岩本照と言います」
💙「えーーーーーーー!?」
嘘だろ。こんな渋い1年がいるか。
そして入学して間もないのに、こんなとこで煙草ふかす奴があるか。
💛「で、要ります?」
💙「いらん」
💛「先輩ですよね?何してたんですか」
💙「俺はいつもここで寝てんの」
俺がいらん、と言ったら岩本はすぐに煙草を消して残りをしまい込んだ。
嫌煙家に優しいと言いたいけど、そもそも煙草吸っちゃいけない年だろと思う。
💛「授業受けないんですか」
💙「勉強嫌いだし」
岩本は見た目の割に言葉遣いも丁寧で、聞き上手。話していて気持ちが良く、気付けば2人で色々な話をしていた。
コメント
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今読み返してるー。 とうとい。
何処に行ってサボってるかと思っていたら屋上にいたんだ笑
しょぴ💙回!キタ!