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6話
朝の陽光が部屋の中にゆっくりと差し込む。
カーテン越しに見える柔らかな光は、まるで時間がゆっくり流れているかのように、部屋を満たしていた。
じゃぱぱはまだ眠そうに目をこすりながら、隣の阿部亮平の顔をそっと覗き込む。
その穏やかな表情に心が落ち着く。
「おはよう、阿部くん」
阿部もゆっくり目を開けて、少し照れたように微笑んだ。
「おはよう、じゃぱぱ」
互いに微笑み合う。言葉は少ないけれど、その空気が何よりも温かかった。
じゃぱぱがベッドからそっと起き上がると、阿部も一緒に立ち上がり、窓辺へ向かった。
「今日はいい天気だね」阿部がつぶやく。
「うん、こんな朝は特別に感じる」じゃぱぱもつぶやき、窓の外の青空を見つめる。
しばらくの間、二人はただ静かに並んで立ち、朝の空気を共有した。
「じゃぱぱ、朝ごはんを一緒に作らない?」阿部が提案した。
「いいね! 一緒に作るの楽しそう」
そんなささやかな約束が、二人の距離をさらに縮めていく。
キッチンに移動すると、じゃぱぱが野菜を切り始め、阿部はその横で鍋の火加減を調整する。
「阿部くんは料理上手?」じゃぱぱが聞く。
阿部は照れ笑いを浮かべながら答えた。
「得意ってほどじゃないけど、少しはね。君と一緒ならもっと楽しくできると思う」
じゃぱぱは嬉しそうに笑った。
「そう言ってもらえると、僕も頑張れる」
二人の手元は息が合い、会話と笑い声が自然に溢れた。
できあがった朝ごはんをテーブルに並べ、二人は向かい合って座った。
「いただきます」
その声と共に、食事が始まる。
じゃぱぱは阿部の好きな味付けをさりげなく覚えていて、阿部はその心遣いに感激していた。
食事の合間に交わす小さな言葉や視線が、じわじわと胸を熱くしていく。
食事を終えた後、阿部がぽつりとつぶやいた。
「じゃぱぱ、これからの合宿、一緒に色んなことを乗り越えていこうね」
じゃぱぱは静かにうなずき、少しだけ恥ずかしそうに言った。
「うん、阿部くんとなら、どんなことも怖くない」
二人は手を重ね合い、確かな絆を感じていた。
その日、一日が始まる前のひととき。
じゃぱぱと阿部亮平の間に、新しい物語が静かに芽吹いていた。