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俺が風呂から上がると、カリン(聖獣王)が俺の両頬を引っ張った。


「……ふぁ?」


俺、何か悪いことしたかな?


「何も言わずに私についてきて」


いきなりどうしたんだ?

みんなに聞かれたくないようなことでもあるのか?

彼がコクリと頷《うなず》くと、カリン(聖獣王)は彼と手を繋いだ。

ナオト(『第二形態』になった副作用で身長が百三十センチになってしまった主人公)はカリンと共に寝室に向かった。

寝室に入った瞬間、カリン(聖獣王)はナオトをギュッと抱きしめた。


「なあ、カリン。いったいどうしたんだ? お前、なんか変だぞ?」


「……の」


「え? なんだって?」


「体がね……疼《うず》くの。なんかね何かが私を支配しようとしてるような感じがするの」


「えっと、いつからそんな状態になったのか分かるか?」


「分からない。でも、怖い。私、このまま見えない何かに乗っ取られちゃうのかな?」


カリンの体が小刻みに震えている。

自分と同じくらいの身長の女の子が恐怖に支配されそうになっている。

なんとかして彼女を救ってやりたい。

よし、とりあえず俺にできることをやろう。


「カリン。とりあえず布団に横になってくれないか?」


「嫌《いや》だ! ナオトと離れたくない!」


「じゃあ、このままの状態で布団に横になろう。それならいいか?」


カリンは何も言わずに回転しながら布団に向かった。

ちょ、どうして回転するんだよ。


「……ナオト……ナオト……」


俺はカリンに抱きしめられた状態で布団に押し倒された。

なるほど、さっき回転したのは、俺の注意を回転に向けるためか。

なかなかやるな、カリン。


「えっと、とりあえず、頭撫でるぞ?」


「うん、いいよ。ナオトの好きにして」


そこだけ聞いてるやつがいたら勘違いされるのだが。まあ、いいか。


「よしよし」


「ナオト、それすごくいい。もっとやって」


なんか妙に色っぽい声出すな。

もしかして欲情してるのか?


「あ、ああ、分かった。よしよし」


「……ねえ、ナオト……」


「ん? なんだ?」


「その……ナオトの体、舐めてもいい?」


「えっと、それをされると俺はまた風呂に入らないといけなくなるのだが」


「ダメなの?」


そう言われると断れなくなるのを知ってて言ってるのか?

いや、でもカリンは今、見えない何かに怯《おび》えているから、そんなこと思いつかないはずだよな?


「別に構わないよ。どうせ今日の夜、もう一度風呂に入るんだから。けど、まあ、その……体の|隅々《すみずみ》まで舐《な》められると後で処理する時、大変だから、ほどほどにしてくれよ?」


「うん、分かった」


カリンは俺の首筋に顔を近づけた。

小さな舌が俺の首筋に触れている。

少し熱を帯《お》びている。

妙に色っぽく感じるのはなぜだろう?

しばらくすると、カリンは俺の耳も舐め始めた。


「あの……その……知ってるとは思うが、耳は性感帯だから、優しくしてくれよ?」


「うん、いいよ。でも今の私は少しおかしいから、あまり期待しないでね?」


あっ、はい。

最初は優しくするけど、だんだん激しくするんですね。

カリンは俺の両耳を執拗《しつよう》に舐め回した。カリンの舌使いは、どんどん激しくなっていく。

まずい……このままだと俺がどうにかなりそうだ。


「あ、あの……」


「何?」


「少し休ませてもらっても……」


「ダメ。私がいいって言うまで休ませない。というか、もう我慢できない」


「え?」


カリンは俺をきつく抱きしめると、首筋にキスマークをつけた。


「これでナオトは私のもの。もう逃げられない。そう、もう私から逃げることはできない」


「カリン! しっかりしろ!」


俺がカリンの頭にチョップをすると、カリンは正気に戻った。


「あれ? 私、今まで何を……」


「カリン、大丈夫か?」


「え? あー、うん、私は大丈夫。ねえ、ナオト。その首筋にあるキスマークって誰につけられたの?」


まさかさっきまでの記憶がないのか?


「えっと、これはその……お前につけられたんだよ」


「そ、そそそ、そうなの?」


「あ、ああ」


カリンの顔が真っ赤になる。


「ごめんね、今すぐ消すから、じっとしてて」


「あ、ああ、分かった」


その後、カリンはそれを消すために皮を光で少し焼いた。

少し痛かったが、俺の体の治癒力なら、すぐに治る。


「えっと、その……ごめんね。私、どうかしてた」


「気にするな。別に殺されそうになったわけじゃないんだから」


俺がカリンの頭を撫でると、カリンは俺から目を逸《そ》らしながら、コクリと頷《うなず》いた。

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