俺たちは浅めの洞窟に入った。
⚡️「暗いな…。」
🫘「大丈夫ですよ!!ライト持ってきてるので!」
⚡️「えらい用意周到だな、どこぞの紫と違って。」
👾「はぁ?」
ごまめさんがライトを持っていたことに感心していい気分だったのに急に侮辱されて心底腹が立った。
俺たちはごまめさんが用意してくれていたライトを頭に着け、奥へと進もうとした。
🍯「ごめんごめん!お待たせ!」
偶然、はにさんが帰ってきた。
👾「おっ、おかえりなさーい!!」
🍯「あれ?この子だれ?お友達?」
そうだった、はにさんもごまめさんと初対面なんだった。
🫘「初めまして!探検家のごまめと申します!はるーさん達の旅のお供として派遣されて参りました!」
🍯「なるほどね!私ははにけーき!ガナーをやってて、銃さばきは一流よ!!」
ごまめさんは律儀なのに反して、はにさんはすごいノリノリだなぁ…。
🍯「勇者くんとはマブダチなんだから〜!!」
…いやついさっき出会ったばっかなんですけど?????
🫘「なるほどです!ぜひ私とも仲良くしてください!」
いや待て待て待て!!真に受けるなよごまめさん…!!
🍯「もちろんだよ〜!よろしくね!!」
軽いな。
⚡️「んじゃ、全員揃ったことだし、奥進もうぜ。」
洞窟を奥へと進んでいく。
最初は特に何も無かったものの、少し進んでいくうちに石炭を見つけた。
🍯「これって掘れるの?」
🫘「このツルハシを使えば掘れますよ!」
⚡️「ほんとになんでも持ってるんだな。」
🍯「ドラ○もんみたーい!!(笑)」
なにわろてんねん。
そんな面白かったか今の。
🫘「ガッハッハッヒーヒーヒーwwwwww」
大丈夫かよこいつ。
こいつだけはまともだと思ってたのに。
👾「しょーもないこと言ってないで早く掘るよ。」
🍯「え〜ノリ悪〜。」
…すみませんねぇ!!
“疲れたら交代”というルールの元、全員で石炭を掘り進めた。
⚡️「これぐらいあれば充分だろ。」
👾「そうだね、他に鉱石が無いか探してみようよ。」
⚡️「そうだな。」
今更だけど、こいつは何にでも流されるタイプなのか?
提案を持ち出す度に賛成してる気がするのだが…。
洞窟をどんどん奥へと進んでいく。
最初、表から見たときはここまで深いと思っていなかった。
周りの温度も冷えてきている気がする。
穴もどんどん細く低くなり始め、横並びでは通ることができなくなった。
🍯「狭いし、ジメジメしてるね。」
👾「洞窟だから仕方ない。」
⚡️「なんかもっと言い方ないのかよ。」
洞窟だからって理由以外に何かあるのかよー!!
無いだろ!!洞窟じゃん!!
🫘「あっ!鉄がありますよ!」
え?鉄?
鉄って溶かせばいろんな物が作れるんじゃなかったっけ!?
現世でサバイバルゲームやってた時にそんな知識があったような…。
👾「鉄ってどうやって使うんですか?」
🫘「鉄は溶かして武器などに作り替えたりできますね!」
ほらビンゴー!!!当たったぜー!!!
意外と現世のしょうもない記憶も役にたつ物だな。
🍯「鉄は私の銃にもたくさん使うから取っておかないとね!」
🫘「そうですね、銃作成にはかなりの鉄を使いますから。」
鉄を掘ることにした。
石炭と比べてもそこそこ硬い。
パーンッ
少し鈍い音と共にごまめさんが持参してくれたツルハシが壊れた。
🫘「ありゃ、壊れてしまいましたね…。」
⚡️「仕方ない、これは少し硬すぎる。」
少しだけ取れた鉄を手にして、俺たちは諦めて外に戻ることにした。
かなり奥まで進んでいたこともあって、帰るのにもそこそこ時間がかかった。
🍯「お肉も竹も石炭も鉄も採れたことだし、今日は大収穫だったんじゃない!?」
👾「そうですね!大事に持っておきましょう!」
今日はなかなかの収穫だった。
しかし、1つ肝心なことを忘れていた。
⚡️「おいはるー、俺たちの住処はどうするつもりなんだ?」
👾「あっ。」
そう、拠点作りを完全に忘れていた。
城下町からかなり離れた所まで来た俺たちは戻ることすらも間に合わなかった。
🫘「それならとりあえず簡易テントを作って野宿という形にしましょう!」
そう言ってごまめさんは取ってきた竹を試行錯誤して簡単なテントを作り上げた。
⚡️「お前さん、探検家なのに物作りもできるんだな…。」
🫘「たくさんの旅をしてきたので知識と腕前だけはいっちょ前ですよ!!」
改めて頼もしい人が仲間になったんだと感心する。
🍯「キャンプファイヤーの準備できたよー!」
俺たちがごまめさんに目を奪われているうちに、はにさんが焚き火を用意してくれていた。
👾「うおおー!!すごい!!」
🍯「今からここでお肉焼くね!!」
そうだ、狩りでとった肉があったんだった。
⚡️「こっちもこっちで有能だな。」
🍯「まぁ私、エリートだし?」
⚡️「そ、そうか。」
自信家は素晴らしい、言い方を変えればナルシストになるのかもしれないが。
自分に自信があることは良いことだろう。
俺たちは、はにさんが用意してくれた獣肉にかじりつく。
👾「やっぱ、体を動かしただけあって、料理が美味いな!!」
🫘「そうですね!普段食べる料理とは段違いです!」
そんなこんなで肉を食べ終えた。
満腹になった俺たちは、ごまめさんが作ってくれた簡易テントの中で横になった。
会話をする間もなく、全員寝てしまった。
外で何者かが焚き火の近くで何かをしている。
しかし全員眠っていて誰も気が付かない。
物音はどんどん近づいてくる。