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「えっ!?どこに行くんだ?というか、こっちのことは相談しろよな…」
何で行き先すらも決定権がないんだよ……
「サプライズだよ!サプライズ!」
「いや、いらねーからそういうの」
次は美女の多い国か、あるならエルフの国に行きたかった…そもそも獣人とかも見たことがないからいないのかも……
「ホントに?ミランちゃんとエリーちゃんがセイくんの楽しめそうな所を一生懸命考えていたのに?」
「それを早く言え。そうか。あの子達が…」
「なんか感慨深くなってる所ごめんだけど、二人には言ったことは黙っててね?場所は二人がその内教えてくれるから」
そうか。じゃあ聞いたらダメだな。楽しみにしておこう。
「えっ?旅に出る?いきなりそんなことを言われてもねぇ〜」
ここはミランの実家だ。相手はミラン母。
「だって貴方達はいつもいないし、転移でいつでも帰ってこられるじゃないですか?もう態々私達に伺い立てることはないのよ?」
「そうですか…お嬢さんを預かっている身としては報告した方がいいかと思っていました…」
「セイさんはあの子の保護者じゃないわ。あの子の仲間よ?あまり過保護になり過ぎてはダメですよ」
「…肝に銘じておきます」
そうだよな…勝手に報告に来たけど、ミランは家を出ることを両親に許可されているんだ。
地球の感覚では未成年を連れ回すんだから、保護者に同意を求めるのは当たり前だからと思って来たけど…
「もう!そんな顔しないの!セイさんがあの子の事を大切に扱ってくれているのはとっくに知っています。これからもその気持ちを持ってくれたらと親としては思いますが、あの子からしたら自分をお荷物に感じてしまうかもしれませんからね。
だから対等に扱ってくださいね」
よし。わかった。対等に…は無理だから、大人として…も無理そうなんだよなぁ。
一先ず本当の保護者に伝えられたのだからそれでよしとしよう。
ここには態々バーンさんがいない時に来たんだ。あの人がいると俺の過保護とバーンさんの過保護が化学反応を起こしてミランがやさぐれミランになってしまうかもしれないからな。
俺は美人なミラン母と二人でお茶ができたことを収穫に、商人組合まで向かった。
「では、またお金が貯まるのですね…」
ハーリーさんに旅に出る為…以下省略。
「はい。また預かっておいてください。後、聖奈からも言われるかと思いますが、しばらくの間、胡椒も宝石とお金でお願いすることになると思います」
「それはこちらとしても助かります。何せ金額が莫大なモノですから、単価の安いモノだと嵩張って…」
わかるぞ。俺も運ぶのに苦労しているからな。
当面の目標はリゴルドーの家を宝石とお金でいっぱいにすることだな。
そう考えると何だか経験値を集めるゲームみたいで楽しそうだ。
「ん?もうすぐ出るのか。それはいいのぅ。若いうちは旅をする。そうして色んな経験をして強くなるんじゃ」
いや、そんな戦闘民族みたいな感覚では旅をしないぞ?
むしろ観光気分だ。この世界の人に言っても理解されないだろうが。
「爺さんには悪いが、子供達と屋敷を頼むな。店は守れなきゃ守れないで構わん」
「なんじゃそれは…まぁ、いざとなったら子供達を連れて逃げるわい。そんな事にはならんじゃろうがな。何せ常時、Bランクの冒険者が二人も警護しておるんじゃからな」
モノは後でどうにでもなるからな。生きてこその物種だ。
爺さんは伊達に歳を重ねていない。大切なモノを瞬間的に見極める力は信頼しているよ。
リリーの件は許さんがな…!
まぁまた過保護になりすぎだと言われる前にやめとこう。
「前にも伝えたように家の中のものは好きに使ってくれ。後、酒は飲み放題だけど程々にな」
「おう。好きにしとるわい。それは儂じゃのうてリリーに言ってくれ…甘い酒を飲めるからというて毎日絡まれとるんじゃ…」
それは諦メロン。
「まぁまだ聖奈の準備が出来ていないから先の事になるだろうけどな」
俺にはいつ出るのかすら伝えられていないからな。
まぁ、いつでも出れるんだけど……
sideミラン
「セイさんはどちらへ行ったのでしょう?」
朝から姿が見えません。10時のおやつの時間にも帰って来ませんでした。
お陰でいつもより0.5人前少なかったです。
いえ、それはいいのです。よくありませんが……
何か胸騒ぎがします……
「リゴルドーに行ってくるって言ってたよ」
セーナさんには伝えているのですね。私には黙っているのに……
「そうでしたか。私も弟達に会いたいので明日にでも連れて行ってもらいます」
「うん!そうして!準備が出来て旅に出たら中々会えないからね」
そう。私達は旅に出る予定なのです。セイさんにはまだ伝えていませんが。
私とエリーさんが選んだ目的地を気に入ってくれるといいのですが……
「今日は私をリゴルドーに連れて行ってもらえませんか?」
何やら朝から出かける気配。その前に頼めることを頼んでおかないと。
「ん?いいぞ。迎えは夕方でもいいか?」
「それは構いません。何かご用事でしょうか?」
一緒にはいられない理由があるのでしょうか?
「ああ。少しカイザー様に会ってくる」
「わかりました。ではよろしくお願いします」
カイザー様…この魔導王国のトップ。やはり何か私に隠し事が……
私はその後、母から伝えられた言葉に打ちのめされました……
side聖
「そうか…それは寂しくなるな」
飲み友達が旅に出る。それを聞いた国王は寂しそうにしていた。
「カイザー様。店にはお酒がたくさんあるので、城の者に買いに来させてくださいね」
「そうだな。セイの店は今や我が国の酒飲みで知らない者はいない店だからな。売り切れる前に買わねばな」
「売り切れは心配なさらぬよう。私がいなくとも酒は入荷されますし、ラインナップも変わることでしょう」
実際は俺が入荷させるんだけどな。
俺は店にはいないから間違っても行くなよ?子供達がパニくるぞ?
その日は深夜まで城で酒を飲んでいた。
途中ミランを迎えにいったが酔っていたので、変化に気付けなかった。
帰った時、あんな事になるなんて……
「ただいまぁ!」
もちろん返事なんてない。みんな寝ている時間だからな。
俺は寝る前に水を飲もうとリビングへと向かう。
「おかえりなさい」
うおっ!?びっくりしたぁ……
「ミラン?どうした?もう寝る時間をとっくに過ぎてるぞ?」
「セイさん。何もいってくれないのですね…」
えっ…何で泣いているんだ!?
「な、何の話だ?俺がミランに秘密にしていることなんてあるわけがないだろ?」
「母から聞きました。セイさんが旅に出ると…何でですかっ!?私が良い子じゃないからですかっ!?
私…セイさんがいないのなら…」
ん?…うん。俺一人で旅に出させる気か?迷子になるぞ?
「ミラン。落ち着け。俺はミランを置いてどこかに行ったりしない。ミランのお母さんに言ったのは、そろそろ落ち着いてきたから、準備が出来たらみんなで旅に出るだろうから、その報告だ。
ミランがリゴルドーに中々帰れなくなるからな」
「えっ…じゃあ、セイさんが私に愛想をつかせて出て行くのじゃないのですね…?」
「愛想をつかされるなら俺の方だろ……安心しろ。ミランが出て行くって言うまでは、決して離れないから」
いや、出て行くって言われても、はいそうですか。とはならんけどな。
「それは有り得ません。良かったです…セイさんに黙って進めていた旅がなくなると思いました…」
うん。それは聞こえないふりをしておいてあげよう。
「とにかく。ミランはそんな心配をするな。俺の事を信じてくれるならな」
「はい!信じます!女性関係以外は!」
いや、何もないよ?何も無いのが問題なんだ。
「それも安心しろ。もし俺にハーレムが出来てもそれはそれ、仲間は仲間だ!」
「わかりました。その時はよろしくお願いします」
ん?それはどういう意味なんだい?
「お、おう。ミラン。もう眠いから寝よっか?」
「はいっ!」
この事はもちろん聖奈さんにもバレていて、次の日めちゃくちゃ怒られた。
『どうせみんなで報告に行くんだから、紛らわしいことをしないでよね!』
と。
まぁ国王に挨拶に言ったのは知らせてたからそれは誉められたけど……
なんだろう。動けば怒られる。動かなければ何も言われない。
俺いる?
〓〓〓〓〓〓〓人物紹介〓〓〓〓〓〓〓
水都編登場人物
魔導士師匠エリザベス・ドーラ(銀髪美少女、150㌢、ローブ姿)
カイザー・セイレーン・ナターリア(国王、30代後半、金髪偉丈夫イケメン、酒好き、女好き)
アメリア・ナターリア(第3王女、13歳、金髪美少女、158㌢)
セイレーン商人組合長ケイト(40代、優しそうなご婦人)
身体強化の師匠ビクトール(60以上、白髪のロン毛、マッチョ、聖より背がだいぶ高い)
セイレーン冒険者組合長リンドーン(老人)
セイレーン冒険者組合マーク(無特徴、30代半)
セイレーン冒険者リリー(グラマラス美女、20前半、Bランク)
東雲 大河(兄・兄貴呼び、28歳、都心勤務、既婚、子供一人晶一歳、嫁唯)
※東雲 由奈(姉・姉貴呼び、26歳、看護師、既婚、小梨)
東雲 大志(父・親父呼び、52歳、会社員)
東雲 真紀(母・お袋呼び、50歳、専業主婦)
王宮魔導具管理局長イラン(30歳、細身、茶髪)
セイレーン孤児院職員ターニャ(40歳おばちゃん)
セイレーン孤児院院長マチルダ(60歳白髪、細身、キツイ目)
孤児ガイ(14歳、やんちゃ)
孤児シリー(13歳、大人しい茶髪)
孤児ファラー(15歳、緊張しい)
孤児アンナ(14歳、快活、落ち着きがない)
ラドン・ドーラ(40歳くらい。エリーの父)
ニーニャ・ドーラ(35歳くらい。エリーの母。美人)
ハーベリック・フォン・ドリトニー(エンガード王国子爵家、ドブトリー)
※はまだ登場していませんが話に出て来たので。
〓〓〓〓〓〓〓〓小話〓〓〓〓〓〓〓〓
水都編は以上になります。次の話もまだ水都にいますが……
以下、小話。
聖「あれ?俺この街でなんかしたっけ?」
ミラン「してましたよ?」
エリー「してましたね」
聖奈「頑張ってたよ!」
聖「記憶に無いんだけど…」
ミラン&エリー&聖奈「王様との飲み会(だよ(です)」
聖「記憶に無いわけだわ」