登場人物
ツカサ…ある王国の元王。国よりもルイを愛してしまった罪人。
ルイ…ツカサの重臣。ツカサを愛してしまった罪人。
トウヤ…ある王国の王。ツカサを尊敬していた。
アキト…トウヤの重臣。ツカサやルイを尊敬していた。
ネネ…城のメイド。ツカサとルイの共謀犯。
from.アキト
城の一室が焼かれ、ルイ様とツカサ様と共に全部灰になって消えた。
あの人たちは幸せだっただろうか。
トウヤ様には一連の流れを話した。それを聞いて、随分落胆したようだ。
「そうか……ツカサ様も、そうだったのか…」
何気に、民衆が1番いいと思った。だって、自由に恋ができる。愛して、家族ももてる。
いや…そうでもないかもしれねぇけど。
だからこそ俺は、あの二人は凄いと思ったよ。けど、世間や他から見ると違うんだよな。ただの犯罪者だ。
「ネネ……」
2人が自室を焼いた後、海に飛び込んだらしい。これで、この事件の真相を知ってるのは俺とトウヤ様だけだ。
トウヤ様と2人で相談して、真相は2人だけの秘密にする事にした。
民衆達には、2人は自室を焼き自害したという事しか伝えなかった。
初めは大変だった。ツカサ様もルイ様も愛されていたから。理由を聞かれたりもっと詳しく教えろと言われたり。その度に、トウヤ様が対応してくださってなんとか収まったけど。
トウヤ様が正式に王になった。俺も昇進した。
けど、2人のいない城は、やはり寂しかった。
自分はルイ様に好かれていたのだろうか?ツカサ様が言うほど。
いや、違う。
あの日。城が焼かれた日。ルイ様は最初、俺に「逃げて」と言った。けど、最後は「出てってくれ」と言った。あれは、早く最愛の人と2人きりになりたかったからだ。
自惚れるのは辞めよう。
最近、トウヤ様はお疲れのようだ。王になって間もないからだろうけど。
トウヤ様のためにコーヒーをいれた。これで少しは元気になってくれると良いが、、
「トウヤ様、失礼します。コーヒーを…」
俺はそこで止まった。
ツカサ様はおかしくなったんじゃない。コイツだ。きっと、あの魔物のせいだ。
「アキト……すまない、」
やはりこの城は呪われていた。これからもきっと繰り返すだろう。
「トウヤ…様、」
「愛してる」
数ヶ月後刺し殺すであろう王に、そう言われた。
from.▌▏▎▏▎▌▋
あぁ、あれは魔物だ。私の愛した人じゃない。みんな、みんな、大好きなのに、魔物のせいでおかしくなってしまう。
「ごめんね、ツカサ、ごめんね…」
「母様!」
私は聞こえないフリをする。城を出る。
もう戻れない。戻ってしまったらきっと、私はあの人を殺さなければならなくなる。
そう、お義父様やお義母様みたいに…!
この国には歴史がある。古い古い王家に伝わる歴史だ。
昔、二代目の王が魔物に恋をした。魔物と二代目は愛を育んでいったが、二代目の目的は魔物の持つ力であって、用が済んだから殺そうとした。
魔物は愛する人になら殺されても良いと抵抗はしなかったが、二代目に愛がなかった事を知る。
それでも自分は愛していると訴えたが…人間とは残酷で、二代目は人間と結婚し愛を育んだ。
忘れ去られた魔物は呪いをかけた。
自分の愛を弄んだ人間に復讐する呪いだ。
この呪いはある対象の2人にしか発動しない。それ故に、周りには理解ができない呪いだ。
呪われて初めて、呪いの意味を知る。
呪いの発動条件。
それは、「お互いに愛し合っている」こと。
愛してもらえなかった魔物は愛し合う人間を憎んでいる。
____________________
__愛して_____
END
コメント
8件
マジか呪いってそう言うこと?
そうゆうことですか!!!鳥肌やばいわよ☆最終話お疲れ様です🍵
最終話ありがとう!!!!!!お疲れ様でした!!!!!!!最後のきっとツカサの母上かな!!!!!!!魔物が城から恐れられてたとしても、残酷で儚い司類を作り上げてくれた魔物に私は感謝したい。ありがとう(誰おま)