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あろくーす
48
#オリジナルストーリー
ふりる
103
さむこ
63
#オリジナルストーリー
海月🪼🩵‐Mizuki
168
第四話 「ようこそ」
「俺が…、『Night Lily』に!?」
薄暗い部屋に俺の声がこだまする
ますます俺の頭の中はこんがらがった
驚きと、困惑と、さまざまな感情が頭を掻き回す
だが、答えは意外と単純に選べた
俺には、帰る場所もないのだから
一番と言えるほど、裏社会の深い場所にいるこの組織に入れば、姉貴を殺した犯人を今まで以上に見つけやすくなるだろう
「…分かった。入る」
男は俺の目を見た
瞳の中にある固い意志を、その深いところにあるものを見る
「…なら条件を言う」
男は銃口を俺の額から離し、続けて話す
「簡単な事だ。お前の眼について調べさせてもらう」
「眼…?」
そこで女が一歩踏み出して説明する
「君が銃弾を躱したと言う話と、もう一つ聞いている事があるからね。…ま、後で説明するからー」
最後にはぶっきらぼうに放たれた言葉が少しばかり緊張をほぐしてくれる
男が俺の背後に回ると、ポケットから折りたたみ式のナイフを取り出した
そのナイフを掲げると、手慣れた手つきで縄を断つ
自由になった少し痛む手首をほぐしながら立ち上がる
「君、名前は?」
女が問いかけた
「…天海空」
「空ね」
そして、女がこちらに手を差し伸ばす
その瞳にはもう敵意など微塵も無かった
「『Night Lily』へようこそ、空」
俺は調査員として組織に入り、そこから俺の人生は大きく変わり始めた
「君の眼の力は、《スペカリスアイ》と言う名の異能力。特殊な力がその眼に宿っているの」
唐突に、そう言われた
空たちが来たのは、アジトの中心に位置する大きな部屋だった
部屋を一瞥する
部屋の中央にはまるで普通の家のように、テーブルやソファが無造作に並べられている
部屋の壁には色とりどりの扉が付いており、空たちが入ってきたのは真っ黒な扉だった
天井には照明がぶら下がっており、空たちを瞬き一つせずに照らしている
「《スペカリスアイ》…。って、じゃあ俺はその異能の持ち主という事なんですか!?」
目を丸くする空はありえないと自分の瞳の下に指を当てる
だがそこには、ニ年前に刻まれた古傷だけがある
すでに痛みはないが、まだ空には_
「嗚呼、銃弾を躱した事ともう一つ。お前の眼の色が変わった事、そして」
男が自身の瞳を指差しながらそう言うと、隣にいた女は右腕を空の前に掲げた
「座れ」
空は従い、背後にあったソファに座る
すると、女の少し長い白衣の袖から漆黒の鱗を持つ赤眼の蛇が現れた
空は少し驚いたが、それは瞬き一つで静まった
蛇は空と目を合わせ、見つめる
女も眼鏡越しに様子を見る
ふと、女の桜色の瞳が一瞬輝いた気がしたが、今は確かめる余地はなかった
やがて蛇は舌を一度出すと、袖の中へと戻っていった
「い、今のは…?」
「私の相棒のアンよ」
女は答えた
だが、その声には少し迷いの色が見えた
女は男と目を合わせると、首を縦に振る
「…確定だな」
男は面倒そうに頭を掻きむしりながらこちらに向き直る
「アンにはな、異能ではないが、その者が異能を持っているかを判断する事が出来る。野生の勘かは知らねえけど」
「ま、君は間違いなく、《スペカリスアイ》の持ち主だ。アンがそう判断したからね」
女は少し誇らしげに言う
空は再び自分の瞳の前に手を持ってくる
自分が異能の持ち主だなんて、思っても無かった
自分のこの眼は、ただの生まれつきとしか思っていなかったからだ
女は自身の胸元に手を当てると口を開いた
「私の名前は薇濤皐月。『Night Lily』の専属医師だよ」
男も続く
「…まあ、名前ぐらいは言わねえとな。俺は東雲亜蓙冴。今日はたまたま時間があっただけで、普段はボスの側近として行動している」
空はよろしくお願いしますと言うと頭を下げる
ふと、辺りを見渡す
今部屋には空を合わせ三人しかいない
大声を出したらどこまでも響きそうな静かさがある
気になった空は、聞いたことのあるとある噂を聞いた
「…あの、薇濤さん。聞いたことがあるんですけど、『Night Lily』には調査員などの他に構成員はいないって本当な んですか?」
そう、「Night Lily」には構成員がいないと言うこの噂
本当ならば、これは異常すぎるのだ
普通ならば、構成員たちは戦いの後の後処理、管轄の見回り、契約をしている商店の管理など、様々な役割を振り分けられる
多大な仕事を行う部下がいないと言うことは、どれだけ重労働か、考えるだけでも鳥肌が立つ
そして、これまで「Night Lily」に歯向かった組織は、例外なく、跡形もなく消えた
皐月は確かにと言わんばかりの表情になった
「確かに。でも、管理の仕事はウチの情報管理システムがやってくれてるし、ウチには数知らずの協力者がいるからね、そこはそんな考えたこともなかったな〜」
「協力者…?」
「そこら辺はこれから分かるだろ」
亜蓙冴は耳に付けてるイヤホンに手を翳しながら言った
皐月は姿勢を戻すと、亜蓙冴に向き直る
「まさか、来られるの?」
皐月が口を開いたその時、部屋の奥にあった重厚な青暗い扉が開いた
その瞬間、亜蓙冴と皐月は背筋を伸ばし、先ほどまでの決してキツくは無かった空気が瞬時にピリつく
空もその空気を読み取り、立ち上がる
そして、亜蓙冴は扉から入ってきた人物に言った
「お待ちしてました、ボス」
コメント
5件
ししょーお久しぶりですっ…覚えてますか、、? 1話から一気見してきましたっ! 空くんがNight Lilyに入れて良かった、! 早く空くんのお姉さんを✖︎下犯人見つけてとっちめてほしい…! 頑張ってくださいっ、♪
あっ、睡蓮さん!「Night Lily」加入おめでとう、空くん!って感じの第四話やったわ〜。 蛇のアンで異能を判定するシーン、めっちゃ雰囲気あって好き。さりげなく皐月さんの眼も光ってたし、彼女も只者じゃなさそうで続きが気になる…!そして最後のボス登場で一気に空気変わるとこ、痺れたわ。次回が待ちきれん🔥