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『占い師を占いたい』
あの日から、あのテントを見つけるたびに、あの占い師の瞳を思い出しては吸い込まれるように訪れるようになった。
?? 本日は何を占いますか?
この人は毎回これを聞く。もちろん、仕事なんだから当たり前。だけど、占ってもらう回数を重ねる毎にこの言葉の声色で感情がわかるようになった。そして、いつの間にかこの人のことを恋愛として好意を持つようになった。
h.m. 今日は…今後の運勢をお願いします.
?? 運勢ですね. 今後は…..
そう言って、今日の占いは終わった。いつもだったらお金を払ってサッと帰るが今日は違った。
h.m. あの、お名前って聞いてもいいですか?
?? …え?
h.m. あ、えっと、その、最近結構来させてもらってるし、なんて呼んだらいいのか分かんなくて、、、.
?? …
h.m. やっぱりダメですよね. 帰りますね. では、また.
?? しゅーと
h.m. え、?
s.m. もりしゅーとです.
占い師相手に変なこと聞いてるのは分かっていたけど、ちゃんと教えてくれた。素直に嬉しかった。恋愛として好きになったはもののそこからは何も進展せずにいたからとりあえず一歩前進。ていうか、、、
h.m. 苗字同じですね.
s.m. え?
h.m. 僕ももりです。もりひでとしです。
s.m. え!偶然ですね. ひでとしさん.覚えておきます.
胸が高鳴った。覚えてくれるって言ってくれて。
h.m. ありがとうございます. では、また.
s.m. また. お待ちしております.
今日もしゅーとさんの占いテントを見つけてはスキップをしているかのように足が軽くなって中へ入っていった。
いつも通り、「今日は何を占いますか」と聞かれ「運勢を」とかなんとか言って占いが始まった。
やっぱり。今日のしゅーとさんは何か違う。どこか上の空という感じである。占いしている姿を目の前で何度も何度も見ているからわかる。指が少し震えている。多分、初めて来た人は気付かないだろうというような震えである。だが、俺はこの姿を誰よりも多く見ている。だから分かる。
h.m. …どうかしましたか?
s.m. …え?
h.m. もしかして、誰かを想ってますか?
これを聞いて自分が傷つくかもしれない、そう分かってはいたけどしゅーとさんの儚い表情がより、聴きたくなってしまった。
s.m. そうですね…
そう言って、しゅーとさんは微笑むだけで占いを再開した。
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