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これは、とある家庭に生まれた
とある女の子のお話。
彼女の家は普通じゃなかった。
母親からもそう言われ続けてきた。
「私たちの家庭は普通じゃない。普通の子のように遊んだり出来ない。」
彼女は周りのこと違う。
そして、彼女も周りの子と違う。
ずっと彼女はそう思ってきた。
彼女には兄が二人いた。
1番上の兄は1度も会ったことがない。
母親は2回結婚していた。
1番上の兄は1回目の結婚の時に産まれたらしい。
2番目の兄が実質彼女の兄ということになる。
彼女と兄は2回目の結婚の時に生まれた子供だった。
彼女は普通の人間として産まれた。
兄は、普通ではなかった。
障害を患っていた。
「知的障害」
この言葉をご存知だろうか。
見た目や体格は成長するが
会話ができず、自分の感情の表現は赤子のような行動をとる。
彼女の兄はこうだった。
彼女は物心着いた時から、現在進行形で兄の身の回りの事をしてきた。
食事。着替え。入浴。
兄はひとりじゃ何も出来ない。
母親がストレスを感じた時
彼女によく当られた。
兄のことで手一杯なのはわかる。
そのストレスを彼女にぶつけてしまったことにより、彼女はだんだんおかしくなっていった。
彼女はストレスを溜め込むようになってしまった。
「私が我慢すればいい」
「私が耐えれば何も起こらない」
ずっと、自分にそう言い聞かせて。
いつしか彼女は誰かに相談することを出来なくなってしまった。
家庭のこと。自分のこと。
誰かに話すのがとても怖くなった。
話したら、相談したことが母親の耳まで届くんじゃないか。
話してしまったら家に帰った時に殴られる。
そう思うようになり、ストレスを極限まで溜めてしまった。
ストレスが爆発したのは彼女が13の時。
学校にいつものように歩いて。
教室の机に座って。
何気ない一日が始まろうとしていた。