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「⸺なあ」
教室で1人座ってたら廊下の男の子に話しかけられた。
『え、!あ、はい!』
見上げると昔と変わらない顔立ちの隠岐くんがいた。また、会えた。でもなんで⸺
「…ナマエちゃん、、やろ?」
『…っ!!隠岐、くん』
数年経った今でも覚えててくれたんだ。
「久しぶりやなあ、でもなんでここにおるん?去年おらんかったやんか」
『…親の転勤でこっちにさ』
『隠岐くんはなんで?』
「ボーダーでスカウト受けてなあ」
『ボーダー!?すご!!』
「普通にこの学校ボーダーの子おるで」
『えっ、あ、そうだったの!?』
⸺元気で良かった。来た甲斐があった。声も低くなって背高くなって、一瞬誰かわかんなかった。
「…体、もう大丈夫なん?」
『、まだちょっと不自由かな』
「そうなんや、無理せず⸺」
『あっ!ほら次美術じゃん!急げ急げ』
「あっ、ほんまや、ほな後で話そうや」
『うん』
そうやって笑顔で返すけど、誤魔化しちゃったな。⸺でも会えて嬉しい。もう病気なんか関係ない。でも
残された日をどうしよう。