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そして、次の日、私はレガット様の言われた通りに、ラフなワインレッドのワンピースに着替えて、髪をポニーテールにしてレガット様を待った。
レガット様はワイシャツに黒のベスト、何でもない黒のズボンを履かれ、少し長い金の髪にヘアバンドをはめ前髪を上げていた。
どのような格好をしても、王子としての気品があるのは、私がレガット様が王子だと知っているからなのだろうか…?
いえ、きっと違うだろう…
「似合ってるよ、そのワンピース。」
レガット様は優雅に右手を私に差し出す。
私はその手を取り、後宮を後にした。
いつもより地味な馬車に乗り、30分ほどして王都メイナスの外れに到着した。
「ここは…?」
「ここはね、白鳥の公園メレスと言うんだよ。
おいで。」
レガット様は馬車からバスケットを持って降りた。
私もレガット様の手を取り降りる。
そこは一面が芝生の広々とした公園だった。
中央の湖には、白鳥が優雅に泳いでいる。
「素敵…」
「だろう?
お腹空かない?」
「え、えぇ。」
「これ、お弁当だよ。
どこで食べようか?」
「あそこの木陰が気持ち良さそうでございます!」
私達は木陰に座り、サンドイッチを食べて、しばらく芝生の上に寝転がった。
そして、余ったパンを白鳥にあげた。
白鳥は我先に、とパン屑を取り合っている。
「よし、ボートに乗ろう!」
「ボートでございますか?」
「苦手?」
「いえ!
漕ぐのは私にお任せくだされ!」
そう言うと、レガット様は呆れた様に笑った。
私達はパン屑の残りを持って、ボートに乗った。
私は気合いを入れて、腕まくりし、オールを持った。
「マリーナって変わっているね。」
レガット様は珍しい物を見るように私がボートを漕ぐのを見ていた。
「あら、漕ぐのは男という法律でもあるのでございますか?」
私は言う。
「では、オレはお姫様のようにくつろいでいるよ。笑」
やはり、レガット様はおかしそうに笑う。
白鳥と湖に浮かび、私とレガット様は他愛無い話をしながら、ボートを堪能していた。
しかし…結構腕が痛いな、そう思った時、レガット様は私のオールをそっと取り、代わってくれた。
うーん、オールで漕ぐのは男、という決まりを作った方がいいのかもしれない…。
私は澄んだ湖を見て、白鳥に話しかけ、パン屑を投げた。
ボートから降りると、まだ14時だったので、王都メイナスをぶらつく事にした。
「白鳥の公園は楽しかった?」
「はい!
久しぶりにスッキリしてございます!」
しかし、幸せな時間は続かないものだという事を私は忘れていた。
私は見てはならぬものを見てしまったのだ…
それは…