テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

画像


好きになってしまった瞬間、自分の中で何かが変わったのが分かった。

それまでは、「綺麗だな」「素敵だな」と思うものに出会えば、友達に教えたくてたまらなかったのに。

君のことだけは、絶対に誰にも教えたくないって思った。


そればかりか、君の話を誰かが口にするたびに、胸の奥がざわついて仕方がない。


「ほら、あの子、最近可愛くなったよね」


「なんか、雰囲気が変わったと思わないか?」


ねぇ、お願いだからやめて?

君のことを最初に見つけたのは、僕なのに。

その魅力に誰より早く気づいたのは僕なのに。


だから——。


気が付けばほんの小さな悪意が、僕の中でどんどん積もって大きくなっていった。


君の周りで、僕は〝ついうっかり〟悪い噂を立ててしまう。


「あの子? 可愛いけど嫉妬深くて怖いよ?」

とか、

「清楚に見えるけど、相当変態な変わり者らしいよ?」

とか……他にもいっぱい。



僕の噂のせいで、どんどん孤立していく君。


みんなから意地悪されて、突き落とされた君の持ち物を素早く拾ってあげるふりをして、僕は君が一番大切そうにしているものを見極めてそっと隠す。


君が困っている姿を見ると、胸の奥が甘くうずいてたまらないんだ。


僕が君を孤立させて、困らせている張本人なのに……。

素知らぬ顔でそんな君に優しく手を差し伸べる。


僕を見付けただけで、不安そうにオドオドしていた君が、救世主にでも出会ったみたいにぱぁっと瞳を輝かせる様が、愚かで殺してしまいたいほど愛しい。


君を助けるのも、君が頼っていいのも、僕だけ――。


弱った君が、僕にどんどん依存していく様を、僕はじわりと痺れるような快感とともに甘受する。


誰の目にも君を映したくない。

君の瞳にも僕以外は映さないで欲しい。


君は僕だけのもの。僕も君だけのために生きるって誓う。


——だから、お願い。もう少しだけ、僕のそばに来て?



END(2025/06/18)

※次のページからは本作の短編を2作掲載していく予定です。

今しばらくお付き合い頂ければ幸いです。

誰にも見せたくない〜僕だけの君でいて?〜

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

148

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚