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こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります
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【4日目】
日曜日は世間で言うところの休日なはずが、俺にとっては休みじゃなかった。
事務所に出向くまでもない。
それでも家で片付けなければいけない仕事が山ほどある。
朝から夜までノートパソコンとスマホに向かい合う。
いつもみたいに夕方になってやって来たまろは、手土産と称した自分用の缶チューハイを遠慮なく冷蔵庫にぶち込んだ。
「ないこー、終わったら一緒に飲もー」
どうやら酒が飲みたくてここへ来ただけらしい。
こっちはそんな余裕ないっつーの。
いつもなら仕事を手伝ってくれるまろだけど、今日のメインはアニメの台本やら執筆関係のものが多くて、いくらまろにでも代わってもらえるものじゃなかった。
「うるさいなぁ、邪魔するなら帰れよ」
キーボードをカタカタと叩きながら言ったけれど、もちろん本気じゃない。
それが分かっているからまろの方も気分を害したり焦ったりする様子もなく、ソファに寝転んだ態勢で顔を仰向けてこちらを見た。
「じゃあ、キスしてくれたら諦めて今すぐ帰るわ」
ニヤっと笑って言うそんな言葉に、俺は思わず目を見開く。
昨日のこちらのセリフをなぞるようなそれに一瞬沈黙が生まれた。
だけど次の瞬間、ブルーライトカットの入った眼鏡の奥の目を細めて俺はふんと鼻であしらう。
「じゃあできないじゃん」
ああは言っておきながら、こっちは本当は帰ってほしくないんだっつーの。
唇を尖らせて拗ねたように呟いた俺に、まろは楽しそうに「あひゃひゃひゃ」と配信の時のような声を上げて笑った。
俺をからかって完全に面白がる様子に、エンターキーを押す力が苛立ちからかいつもより強くなった気がした。