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「ただいま……」
…結局、落ち込んだ様子でトイレに行ったジンヒョンは戻ってきても落ち込んでて、撮影の合間にもため息をついてたし、僕がメンバーとの話の延長で話を振っても生返事しか返ってこなかった。僕のせいかな……ユンギヒョンにも、苦労を増やすなって言われたし…でも、ユンギヒョンに関しては全く意味が分からない。だって、ユンギヒョンとは話をしてたわけでもなければ、僕が何かやらかしたという記憶もないもん。
「………ホバ、今時間ある?」
「?、はい」
「……ちょっと……話が、あるんだけど……ヒョンの部屋に、来てくれる?」
「…ヒョンの部屋で?別にここでも…」
「……二人きりで…その、話したい事が、あって……良い?」
「…はい……」
ぼーっと考えていると、ふとジンヒョンから呼び出され、我に返る。…あの時みたいな、真剣な顔してる…格好良いな…じゃなくて。二人で話したい事?……何かあったっけ。しかも二人きりだなんて、いよいよ訳が分からない。誰かの誕生日が近いわけでもないしな…とりあえず、呼び出されたからには行くしかないか。
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カチャッ…パタン……
「…どうしました?話したい事って……」
「……うん……ちょっと、座って……」
「……はい……」
部屋に行けば、既にヒョンはベッドサイドに座っていた。少し離れた場所で立っていれば、隣を叩いてきた為、大人しく従う。ジンヒョンの顔は…下を向いててよく見えない。
「…ありがとう……はぁー……」
「…気分が乗らないなら、後でも「大丈夫」…分かりました」
「……勇気を出すんだ、ソクジン……(小声)…あのさ、ホバ」
「はい」
「………好きな食べ物は?」
「……はい?」
「だから、好きな食べ物」
…いきなり何を話すかと思ったら…好きな食べ物?そんなの、こんだけ一緒にいるんだから分かるでしょ。何で聞いてきたんだ?…まぁ、聞かれたからには答えるか。
「…キムチ?」
「じゃあ、飲み物」
「……珈琲……」
「……最後。……好きな人は?」
「……………」
…何処か聞き覚えがあると思ったら…いつだかのインタビューで聞かれた質問だ。…でも、何で今更?だって、とっくにインタビューを受けた雑誌は出てるし、皆で確認したのに……
「……メンバー……」
「もっと具体的に」
「具体的?…ジンヒョン、ユンギヒョン、ナム「違う」…?」
何が違うって言うのさ。答えた通りに言ってるのに。…もしかして……バレた?僕がジンヒョンの事を好きだって事が……それを僕の口から言わせようとしてるって事?言わせて、確信を得た上で……フる、とか……
「……メンバーは、メンバーです。それ以上何でもありませんよ」
「…メンバーは、メンバーでも、特別に想ってる奴がいるでしょ」
「誰の事だか分からないです」
「…嘘つくな」
「何でジンヒョンに話さないといけないんですか。冷やかすつもりですか?やめて下さい」
「冷やかすとかじゃなくて…ただ、知りたいだけだよ」
「知ってどうするんですか?応援でもしてくれるんですか?」
「お………応援、は………出来れば、したく、ない………」
「じゃあ言いません」
意味の分からない事ばかり言うジンヒョンにだんだんイライラが募っていくのが分かる。…僕は片想いで十分なんだよ。メンバーだから見られる景色。…それだけで良いんだよ…
「……何で、そんなしつこく聞いてくるんですか」
「……どうしても、言わないの?」
「……どうしても、言いません」
「……そう………なら、これから僕の話す事に何も文句言わないでね」
「?」
「……僕の好きな物は刺身で、好きな飲み物は珈琲。…好きな人は、いつも明るくて、笑顔が可愛くて、側にいると元気をもらえる…人……」
「?、はい、見ました」
「…もっと具体的に言えば、ダンスが上手で、真面目。なのに、ゲームになるとポンコツで抜けてるところがあって…そういうとこも可愛い人」
「??、はぁ……」
「……っ、笑うと、口が、ハートに…なる、人……なんだけど……」
「……えっと………恋愛相談ですか?」
ジンヒョンは何を言いたいんだ?話の意図が全く読めず、頭がこんがらがっていく。…つまり、僕は今、好きな人が好きな人に対する恋愛相談を受けてるって事?…何で僕なんだよ…片想いは良いけど、これは辛い……
「元気……可愛い……ダンスが上手………ジミナ?」
「………はぁー………」
「え?そのため息は……当たって、る……?…あぁ……ジミナなら、もっと直球に言えば「やぁー!!違う!!」!?」
よりによってルームメイト……もう、がっかりする気力もない。そうだよね、可愛いもんね。ジミニに僕が勝てるわけがない。潔く負けを認めて吹っ切れようとすると、何故かキレられた。……もう本当、どういう事だよ……
「こんだけ話して分からないのか!?馬鹿なのか!?」
「ば……ユンギヒョンにも言われたばっか……」
「やぁ!!またユンギ!!口を開けばユンギ!!見るのもユンギ!!何かと話をするのもユンギ!!ぜーんぶユンギ!!」
「……?、ユンギヒョンが何か「これ以上ユンギって言ったらお前の夕飯だけ胡麻油漬け」……嫌だ……」
「聞いて分かるだろ、考えろ!!可愛くて元気でダンスが上手でポンコツ!笑うと口がハートになるの!」
「口がハート……ハート……mang?」
「どうして!キャラクターが!出てくるんだ!人だって言ってるだろ!もう!今僕の隣にいる奴だよ馬鹿野郎!!」
「隣………え?」
ジンヒョンの隣って……それって、一人しかいないじゃん。今、ジンヒョンの隣にいるのは……
「……僕、だ………」
皆様、遅れましたが、300いいねありがとうございます。次回、最終回を迎えられればと考えております。ど素人の作品を、ここまで見て下さりありがとうございます。意見や感想等ありましたら是非……