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なりちかてる
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上野文
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#聖女
桜井正宗@オートスキル1巻発売
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#えっち要素有
y𓂂𓏸 @🍓🫧
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444
「ヒャッハァっ。突破口がわかったぞ、黒騎士。陸がダメなら空を走ればいい。織田信長に〝長篠の戦い〟へ引きずり込まれた武田勝頼のように、敵のやり方に付き合う必要なんてないんだ!」
冒険者パーティ〝G・C・H・O・〟を束ねる鉛色髪の巨漢青年、石貫満勒の叫びに、黒騎士はなるほどと納得し、罪悪感で胸を痛めた。
「満勒大将。私のつたない話からよく考えついてくれた。だが、すまない。飛行盾は先の戦いで故障している。蒸気鎧の〝一眼鬼〟モードにはホバー走行能力もあるが、短時間の浮遊が限界だ。これだけの弾幕が相手となれば、おそらく突破は叶わないだろう」
黒騎士の頼れる防具である空飛ぶ盾だが、第三の要衝〝堕天使の楽園〟における式鬼・火竜戦でダメージを受けたことで半壊し、今にもバラバラになりそうだ。
「キーキッキッ。どうしたどうした、織田信長の再来たる私に手も足も出ないのか? ものども、矢と銃弾を止めるな。更に鬼術を重ねてより強力な技を放つのだ。これぞ我らの三段撃ちじゃああ!」
一方、防寒具で着膨れした丸まったペンギンの如き敵指揮官、祁寒鼠弘は、バイク隊の動きが鈍ったとみるや、矢と銃弾に加え、砲弾めいた巨大な氷柱までが加わって、弾幕はさらに厚くなっている。
「違う、違うぞ黒騎士。空を走る方法は飛行盾だけじゃない。お前自身も〝ホバー移動〟が、〝空中浮遊 (ホバリング)移動〟だって気づいているじゃないか。こういう時のために、俺様はオウモさんから、飛行できるホバーベースを貰ったんだよ」
「な、ホバーベースだ、と!?」
「満勒、なにを考えているでち!?」
「「ええーっ」」
満勒のすっとんきょうな提案に黒騎士、ムラサマ達、バイク隊は目を丸くするが……。
「よく気づきましたね満勒君。黒騎士君、ムラサマちゃん、ここは私たちに任せてください」
冒険者パーティ〝G・C・H・O・〟の移動基地たるホバーベースの拡声器が発した声は、試験に合格した生徒を迎える家庭教師のように満足そうだった。
「今の私は、動画で〝詠様成分〟を補充して全力全開。いよいよ本気を見せる時が来たようですね」
冒険者パーティ〝G・C・H・O・〟が誇る大型バスに似た移動拠点、ホバーベースのハンドルを握るライダースーツの美女、炉谷道子は拡声器から堂々と宣言した。
「おーい、道子さん、〝詠様成分〟ってなんだ?」
「しーっ、でち」
「満勒大将。聞いて学ぶことは大切だが、これについては聞かなくていい」
石貫満勒は寒さで霜のかかった鉛色の髪を掴みつつツッコミを入れたが――。
彼の愛刀たる鉄塊じみた妖刀ムラサマと、副官の黒騎士が即座に口を塞いだ。
「キミ達はまだ幼く、わからなくても無理はありません。〝詠様成分〟とはいわば宇宙の根源、愛情のエネルギー。今こそ私の鬼神具、〝ツジカミの石碑〟の力を見せましょう」
道子は胸ポケットから小さな石塊を取り出して、自らが握るハンドルへ突き立てた。
「舞台登場 役名宣言――〝運転鬼手〟」
すると熱風で空中に浮かぶホバーベースに草木が芽吹いて補強され、あたかも装甲車両のように車体が改造された。
「フホホ、若造どもには負けてはいられない。さっき回収した負傷者たちは、シートベルトを締めておけよ。わしも〝ワニュウドウの像〟を使い、飛行の手助けをしよう」
更に着物姿の老人、六辻久蔵が、中央に鬼の顔が彫られた円形状の像を懐から取り出して空中へ掲げるや。
「舞台登場 役名宣言――〝鬼輪主人〟」
鬼像にそっくりの車輪が四つ取り付いて、飛行機の補助輪代わりになる。
「さあ、空のドライヴとしゃれこみましょうか」
「美人の助手席で相方を務めるとは、これぞ役得役得」
コメント
1件
第444話、お疲れ様でした!「陸がダメなら空を走ればいい」という満勒さんの発想の転換、痛快でしたね。それを受けて道子さんと久蔵さんがそれぞれ「役名宣言」でホバーベースを強化する流れが熱くて、思わずニヤリとしました。そして「詠様成分」って何だろう…気になるけど、ムラサマと黒騎士が口を塞ぐ感じがまた笑えました😂 今回も個性派揃いで楽しかったです!