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「立花さぁ、いつも黙々と仕事してるからゆっくり話しかける暇ないじゃん?」
「え!? そう? そんなこと、ないと思うけど」
「んー?でも会社の男ども言ってるよ。お前可愛いのに話しかけづらいってさ」
ポカンと坪井を眺める。
「そんな素振りは一度も誰からも……」
「お前が見てないだけ」
「え、っと、その」
返す言葉に戸惑っていると。
触れないギリギリの距離に座っていた、その距離を坪井が縮めてくる。
(ち、近い近い近いよ、これが大人の距離感!?)
慌てる真衣香に気づいてか、そうじゃないのか。
坪井は肩を触れ合わせ真衣香の手に軽く触れ耳元で囁くように言った。
「お前合コン来てたってことは今さ、男いないの?」
「い、いないよ?」
いるなら、坪井の言う通りあんな場に参加することはないのだ。
なぜ確認なんてするのだろうと、真衣香が若干不思議に思っていると。
坪井の口からとんでもない言葉を聞いた。
「じゃあさ、付き合ってみる? 俺も今彼女いないの」
耳に湿ったような感触が残り。
心臓が恐ろしいほどにドキドキと身体中に緊張を伝える。
信じられないと思う反面。
けれど、素直に嬉しさもあった。
社内では、たくさんの人に囲まれてる……何なら真衣香のことなど存在さえ忘れているのではないかと思ってた相手が。
『付き合おう』だなんて。