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ちいちゃんのかげおくり
あまんきみこ
一
「ひい、ふう、みい、よ。……」
お父さんの声に合わせて、ちいちゃん、お兄ちゃん、お母さんは、じっと地面を見つめました。
青く晴れ上がった秋の空に、雲が一つもありません。
「十。」
お父さんの声が響いたとたん、みんなは、いっせいに顔を空へ上げました。
「わあ。」
お兄ちゃんが、歓声をあげました。
「お父さんの、お母さんの、ちいちゃんの、お兄ちゃんの。」
青い空いっぱいに、四人の白いかげが、くっきりと浮かんでいました。
それは、お父さんが出征する前の日、家族みんなでやった「かげおくり」でした。
「かげおくり」というのは、影法師を十秒間じっと見つめてから空を見上げると、空にその影が白く映って見えるという、お父さんが教えてくれた遊びでした。
お父さんは、ちいちゃんを抱き上げて言いました。
「これで、みんなが離れ離れになっても、空を見上げれば、いつでもいっしょにいることがわかるね。」
一段落 終わり
コメント
1件
ちいちゃーーん!😭💕 お父さんが出征前日に家族でかげおくりするシーン、泣ける…「離れ離れになっても空を見上げれば一緒」って言葉がもう、心にずっしり来たよ。青空に浮かぶ4人の白い影、ほんとに幻想的で美しかったな。家族の絆が目に見えるような、温かくて切ない名シーンだね。続きが気になりすぎる〜!!🌸✨
霜月リラ@瑠璃ノ月第4夜
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