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中学校一年生 入学式
教室のドアを開けるとほぼ全員が座っていた
そこに君も座っていた
まだ君に恋をするなんて
当時の私は知らない
君のおかげでこれからの生活がすごく楽しくなることだって
まだ知らない
私の席は出席番号が最後のほうだったから窓側だった
入学をするためにやってきた私たちは
新しくてまだすこし硬い制服をぎこちなく着て
体育館へと向かった。
コロナのワクチンなんか夢のまた夢みたいな時だったから
保護者の参列はなし
とっても広い体育館でクラスメイトとすごく離れている席にみんな座った
ソーシャルディスタンスをしっかり守った入学式だった
教室に戻ると
たくさんの教科書とジャージが配られた
新しいリュックに全部いれて両手が荷物であふれるほどの荷物を持って
おもいよー肩ちぎれちゃうよーとかいいながら
みんなぞろぞろと家に帰った。
大変だったけど
すこしは大人に近づけた気がして悪くはなかった。
入学してからまた学校に行ったのは入学式から二か月たった少し汗ばむ天気の日だった
仲のいい友達と一緒に学校に行ったのはこの日を最後にして一か月後
コロナにならないように健康観察を毎朝しっかりして分散登校にも慣れたころ
やっと全員で登校できる日がやってきた
二か月間休校だったせいで夏休みが一週間しかないよっていわれたとき
私はやっと君と話した
恋をするまでの貴重な会話だった。