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「え?」
「だから~あたしも抱っこしてよ」
「なんで?」
「だってずるいじゃん!あたしがしてもらってないのに由妃ちゃんだけ!」
「う、うん…まぁいいけど抱っこだけだぞ?」
「だけってなに?由紀ちゃんは抱っこだけじゃなかったの!?」
「ん、まぁあとは頭を撫でたり…(ここまでしか言えないぞ…)」
「じゃああたしも撫でてもらおうかな!」
「でも由紀ちゃんのは、お前が寝ちゃったのに1人で宿題してて偉いねって撫でたんだよ。千佳…今日は宿題終わらせた?」
「…まだ」
「じゃあ頭を撫でるのは宿題してからかな(笑)」
「ん~!あとで!あとで絶対ね!」
「はいはい。じゃあ抱っこな。…千佳も高校生にもなって何してんだか」
「由紀ちゃんにはしたのに?」
「や、あれは一人っ子で、そういう…お兄ちゃんに甘えたりとかしたことないっていうから…多分だけどあの子は親にもあまり甘えたことないんじゃないかな…」
「そういうのわかるんだ?」
「まぁ合ってるかは知らないけど。じゃあはい」
お兄ちゃんは座ったまま少し椅子を下げてスペースを作ってくれる。
「へへっ」
お兄ちゃんの膝に座る。…うん。…ん?なんか普通??
「なんか普通にお兄ちゃんに座ってる感じしかしないんだけど?」
「え?普通に座ってるだけだから、その感想で合ってるんじゃないか?」
「これなのかな…」
「何が?」
「あの時あたしが起きて見た由紀ちゃんは、なんか大人っぽく見えたんだよね。だからお兄ちゃんに抱っこされたって聞いて、これが原因だと思ったんだけど…」
「ふ~ん…気のせいとか…あ、そうだよ!由紀ちゃんは初めてお兄さん役に甘えられたんだから、その心境の変化は、実際に抱っこをする、しないとは関係ないんじゃないかな?」
「どういうこと?」
「千佳は元々妹で、そこそこ甘えてるだろ?だから抱っこされたからって別に心境に変化なんてない。そこが由紀ちゃんと違うんじゃない?」
「う~ん、わかるような、わからないような…」
「ま、オーダー通り抱っこはしてあげたんだからいいだろ?ほら、もう降りて?」
お兄ちゃんから降りる。
心境の変化…確かにお兄ちゃんにくっついても別に…ね。
由紀ちゃんは誰かに甘える、を覚えて変わったのか。それがうちのお兄ちゃんだったってだけ…
「まぁいっか!あたしもお兄ちゃんに抱っこしてもらったし。これで由紀ちゃんに負けてる感じはなくなったしね」
「負けてる?なにそれ?」
「あたしがしてもらってないことを由紀ちゃんだけしてもらってたってこと。頭を撫でてもらうのはしてもらったことあるしね」
「それならさっきの抱っこだって」
「え?」
「憶えてないのか?千佳が幼稚園くらいの時はよくしてたんだけどな…」
なーんだ。元々由紀ちゃんだけされてたことなんてなかったんだ!なーんだ。じゃあいいか!
「じゃあね!また来るね!」
あたしは自分の部屋に戻った。
「ふ~…焦った~。急になんだよ…バレたかと思うじゃん。でも由紀ちゃんもちゃんと秘密にしてくれてるみたいだな。…まぁ言わないか。勝ち負けじゃないと思うんだけど、由紀ちゃんにして千佳にしないこと…あっても仕方ないよな」