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「え、また?嫌だよ、あんなゲームっ!!」
「誰だってそうだ… どうにかして、アイツを倒さないといけない。」
「でも、見抜いたとしてもうちらに利益は無いわけでしょ?どうやって倒すの?」
「ううん……。」
今回のゲームでは、もみちゃんが連れ去られ、メンバーが増えたと同時に 誰かになりすましているんだろう。
まず天星くんは、偽物とは考え難い。
たぶんいつものメンバーになりすましているだろうから、またよく観察していく事になる。
…だけど、今回はきっと証拠と根拠を提示出来ない気がする。
前は偽物のうっかりミスで証拠がゲット出来ただけであって、同じミスは繰り返さないに決まっている。
今回は、少し難易度が上がっているのかも――。
そんな事を考えていると、気づけば目の前に一枚の伝言の紙が置いてあった。
偽物からのメッセージだ。
私達は、それに目を通す。
“こんにちは。今回は「七星天星」くんをメンバーに加えて ゲームを行う。”
“そこで、ルールを付け加える事にした。”
“これがそのルールだ。”
この文の下には、ルールがずらりと書いてあった。
“昼の投票前の余り時間、『宝探し』を実施する。”
“『宝探し』とは、家の敷地中の至る所を回り、偽物の隠すとある もの を見つけ出すゲームだ。”
“とある もの には、偽物を探し出すヒントが書かれている。”
“謎を解き、偽物を探し出すように。”
“ただし、この時間は、偽物が毎日一人ずつ別次元に奪い去る事が出来る。”
“それを目撃した場合、投票時間に証言してもOKだ。”
「…」
みんなは、このルール説明を黙読していた。
そして私達は、一旦これについて話し合うことにした。
「えーと?まず、宝探しはだいぶ どちら側にも影響出てきそう!」
「ハイリスク・ハイリターンって感じかな?」
「いや、ハイリスク・ローリターンかも…。」
「宝が見つからない可能性もあるし、この時間は結構短そうだもんね――。」
「でも、偽物は『誰にも見られていない』っていう条件で奪わないといけない訳でしょ__?」
「そだね… それもそれで難しいか。」
この宝探しでは、常にみんなで固まって行動すれば良いかも知れない。
そうしたら、仮に偽物が誰かを奪ったとしても、目撃者が その場に必ず複数人いるはずだ。
そんな状況に持ち込めれば、ゲームはすぐさま終わりを迎えるだろう。
偽物が奪えなかったら私達が有利になるだけだし、このルールは偽物としては鬼畜かも知れないな。
「―――そんじゃあ、まず朝飯食べようぜ?」
「そうだね…!」
そして私達は、雷くんの指示に従って 朝ごはんを食べることにした。
いつも料理してくれるもみちゃんが、今日はいない。だから、私が作ることにした。
「うち料理まぁまぁ得意だよ!何作ってほしー?」
「トーストとか??」
「おけ!」
私は言われるがままにトーストを作り、みんなに差し出した。
「…おぉ。美味そう。」
「でしょ?? 得意だもん!」
「じゃ、いただきます!!」
「―――いただきます…!」
「いただき。」
みんなはすぐに食べ終えて、それぞれの部屋に戻った。
私はただ一人 ――いや、ただ二人部屋に帰らずにリビングに居た。
「…なんでお前も?」
「そっちこそ!」
「俺は、証拠を見つけようと思っただけ。」
「うちも同じだけど――。」
「…」
私と同じようにリビングに残っていたのは、前回ゲームに参加していない雷くんだった。
「宝探し、うちらが有利になると思う?」
「思わないからここに居る。」
「でしょうね…。 まぁ、団体行動した所で、効率はめちゃ悪いからね。」
そう。団体行動をするとなると、どうしても効率が悪くなるのはやむを得ない。
でも、今 証拠を探し出す事なら出来るはず――!
そんな考えを持っていたのが、この2人だったという訳だ。
「ってか、証拠は見つかった?」
「実は――― 思いついた案がある。」
雷くんは、ここだけの秘密だと言って 私の耳に小声でヒソヒソと話した。
「―――ほぉ、なるほどね…?それ、結構リスクあるけど… 成功すれば熱いよね!」
「あぁ。 だから、2人でやろう?」
「え… でも、雷くんが地雷の可能性もあるから、信用は出来ないなぁ___。 らい なだけに。」
「ふざけんなっ」
「ww …じゃ、早速開始だね。」
「おう。」
そうして、私達のヒミツの計画は幕を開けた。