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スタート





――悪夢の境界線:崩壊・臨界(ドイツ視点)


鏡の中の“それ”は、もう映像ではなかった。


白い霧に包まれた会議室が歪み、

鏡面の奥からナチがゆっくりと、まるで水面を破るように手を伸ばしてくる。


血で濡れた指先が、鏡を押し広げた。


――ガリ…ッ。


鏡が軋む音が現実に響く。


「……来るな……来るな……来るなッ!!」


俺は壁に背中をぶつけ、足がもつれ、ただ後退るしかなかった。

ナチは笑いながら、鏡の中の暗闇から這い出ようとしている。


歌いながら。


“眠れ……眠れ…………ドイツ。

戻ってこい。ここはお前の場所だ……”


「やだ……もう……やだ……!」


影が俺を掴もうと迫った瞬間、

視界が真っ黒に染まった。



――(イタリー視点)


「ドイツ!?ドイツ!!どうしたなんね!!」


ドイツは突然叫び、鏡を指差し、何か恐怖に怯えるように震えながら後退して――

そのまま意識を失った。


床に倒れ込んだ彼の身体を抱き起こし、

ioの手は震えていた。


「ドイツ……なんでこんな……こわい顔して……」


返事はない。

ただ荒い息だけが漏れていた。



――目覚め(ドイツ視点)


「……っ……は……っ……」


目を開けた瞬間、胸の奥に寒気が走った。

ベッドの上。

蛍光灯の光。

イタリアが、泣きながら俺の腕を握っている。


「よかった……!目、覚めたなんね……!」


「……俺……」


声が震える。

喉が炎のように熱い。


イタリアが必死に説明する。

俺が叫び続け、鏡を指差し、怯えながら倒れたこと。

返り血も何もなかったこと。

そこに誰もいなかったこと。


だが――


(そんなわけがない)


俺は見た。

触れられそうだった。

あの手が、鏡から出てきたのを。


「……俺……なにを……した……?」


頭の奥が痛み、耳鳴りが始まる。


その耳鳴りに――

“別の声”が混ざった。


“お前は殺したんだよ、ドイツ。忘れたか?”


「……っっ……!!」


目の前が暗転する。

イタリアが俺の肩を揺さぶるが、声が遠い。


部屋の隅で、人影が立っていた。


ナチだ。


血のように赤い影を落とし、

俺に向かって笑っている。


「……いやだ……また……出てくるな……!」


「ドイツ!?だれと話してるなんね!?だれもいないなんね!!」


イタリアの声が悲鳴混じりになる。


でも俺には――

ナチの声のほうが、圧倒的に現実だった。


“お前の手は赤い。ほら、見ろ”


俺は震える手を見る。

そこには――


返り血がこびりついていた。


「……なんで……なんで血が……」


イタリアが震える声で言う。


「ドイツ、それ……血なんてついてない……!」


(……違う……見える……俺には……)



――人格の崩壊


胸の奥に、もうひとつの意識が生まれる感覚がした。


“そうだ。俺はここにいる。ドイツと一緒にな”


声が、俺の思考の中に入り込む。

俺の口の動きさえ奪おうとする。


イタリアが泣きながら腕を掴んだ。


「ドイツ……!お願い、戻ってきて……!怖いなんね……!」


「……俺……は……戻れない……」


涙が出た。

震えた。

何かが、確かに俺の内側で形を作っていた。


“戻らなくていい。俺が代わりになってやる”


視界が途切れ途切れに揺れる。

イタリアの声がどんどん遠くなる。


――俺の中に、ナチの人格が湧き上がってくる。


「……あ……やめろ……出てくんな……!」


自分の声ではない声が、喉元で笑った。


“ドイツ?違うだろ。俺達は同じだ”



――精神病院へ


イタリーが泣き叫び、助けを呼んだ。

駆け寄ってきた職員たちが俺を押さえつける。


俺は暴れた。

自分で暴れている感覚じゃなかった。

誰かが俺の身体を使って動いている。


“ほら見ろ、みんな敵だ。殺されるぞ”


その声に、俺は絶望した。



――真っ白な部屋(精神病院)


気づけば、俺は真っ白な部屋に閉じ込められていた。

白い壁。

白い床。

白い天井。


静かで、何もない。


――なのに。


部屋の端に、ナチが座っていた。


白い部屋の中で、影だけが濃く、

目だけがこちらを見ている。


“ようやく二人きりだな、ドイツ”


「……やめろ……もう……やめてくれ……!」


耳を塞いでも意味がない。

彼は俺の中にいる。

内側から、外側から、全てを侵食してくる。


“もうすぐだ。お前の身体はすべて俺のものになる”


俺は頭を抱え、声を喉の奥で押し殺した。


静かなはずの部屋が、

俺には地獄の底よりも騒がしく響いた。


現実はどこにもない。

夢はどこでもある。


俺はもう、

――どちらにも帰れない。











終わり〜どうせ自己満だし名前変えてみるか?

画力上げて表紙とか書けるようになりたい!….まだPBしか書けないけど

ドイツ可哀想系の短編集

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コメント

5

ユーザー

話の書き方好きすぎます…! 遅くなるとは思いますがもしよければ表紙書きましょうか…?(下手) あとお話に関係ないのですが「僕」を小さくしていたのですがあれってどうやってしてるのでしょうか…?もしよければなのですが教えていただけると幸いです

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