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#青春恋愛
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夏希(なつき)
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奇蹟あい
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火曜日。
朝の教室。
「おはよう、玲くん」
「おはよう」
星羅は笑っている。
けれど。
昨日のことが頭から離れない。
――「ちょっと怖いぞ」
玲に言われた言葉。
何度思い返しても胸が痛む。
「……」
星羅は自分の手を見る。
昨日。
玲の腕を強く掴んだ。
自分でも分かっている。
少しやりすぎた。
「星羅?」
「え?」
「大丈夫か?」
「……うん」
星羅は笑う。
「大丈夫だよ」
けれど。
いつもの笑顔より少しだけ弱かった。
昼休み。
「玲くん」
「ん?」
「今日、放課後……」
「悪い」
玲が先に言う。
「今日は委員会がある」
「……」
「だから、先に帰ってて」
「……うん」
星羅の笑顔が止まる。
「分かった」
「ごめん」
「ううん」
玲はそのまま教室を出る。
星羅は一人残る。
「……」
胸が苦しい。
たった一日。
たった数時間。
それだけなのに。
「……嫌だ」
小さな声。
「玲くんと離れるの……嫌」
頭では分かっている。
委員会があるだけ。
それだけ。
でも。
心が追いつかない。
放課後。
星羅は一人で帰宅した。
いつもなら。
玲と並んで歩く時間。
隣にいるはずの人がいない。
「……」
スマホを見る。
メッセージはない。
「……忙しいだけ」
そう自分に言い聞かせる。
家に着いても。
何も手につかなかった。
宿題。
配信の準備。
食事。
全部。
玲のことが頭から離れない。
「……玲くん」
スマホを開く。
メッセージを打つ。
『今何してる?』
送信。
既読がつかない。
「……」
数分。
十分。
二十分。
既読がつかない。
「……どうして?」
不安が膨らむ。
――嫌われた?
昨日のせい?
怖いって言われたから?
「……違う」
星羅は首を振る。
「そんなわけない」
でも。
頭の中では。
悪い想像ばかりが浮かぶ。
夜。
玲から返信が来る。
『ごめん。委員会長引いた』
「……!」
星羅の目に涙が浮かぶ。
『そっか』
短く返す。
そして。
『お疲れ様』
送る。
玲から。
『ありがとう』
それだけ。
星羅はスマホを胸に抱く。
「……よかった」
涙が一粒落ちる。
「嫌われてなかった……」
その瞬間。
星羅は自分自身が怖くなった。
「……私」
こんなに不安になるなんて。
こんなに玲のことで頭がいっぱいになるなんて。
「……重すぎる」
でも。
嫌いにはなれない。
むしろ。
もっと好きになっている。
翌朝。
教室。
「おはよう、玲くん」
「おはよう」
玲がいつものように笑う。
星羅はそれだけで安心した。
「昨日、大丈夫だった?」
「ああ」
「……よかった」
星羅は玲の制服の袖をそっと掴む。
「星羅?」
「……少しだけ」
「?」
「こうしてていい?」
玲は星羅を見る。
「……ああ」
星羅は玲の袖を握ったまま。
「ありがとう」
小さく笑う。
昼休み。
二人で屋上。
「昨日さ」
玲が話し始める。
「委員会、大変だった」
「そうなんだ」
「ああ」
「……私」
「ん?」
「昨日、ちょっと寂しかった」
「……」
「玲くんがいないだけで」
星羅は苦笑する。
「自分でもびっくりした」
「……ごめん」
「玲くんが謝ることじゃないよ」
「でも」
「大丈夫」
星羅は笑う。
「私、ちゃんと待てるようになるから」
「……」
「玲くんには玲くんの時間があるもんね」
その言葉に。
玲は少し安心した。
「ありがとう」
「ううん」
星羅は笑う。
「でも……」
「?」
「帰ってきたら、いっぱい構ってね?」
「……分かった」
「約束」
「ああ」
星羅は満足そうに笑った。
そして。
玲の肩に頭を乗せる。
「……幸せ」
「そんなに?」
「うん」
星羅は目を閉じる。
「玲くんがちゃんと戻ってきてくれるなら……」
小さな声。
「私、何時間でも待てるよ」
――たとえ。
どれだけ離れても。
最後に戻ってくる場所が。
自分のところなら。
それだけでいい。
……今は。
その日の夜。
星羅は配信を始める。
『こんばんは、星乃セラです』
いつもの笑顔。
いつもの声。
『今日はね』
少しだけ優しく。
『大切な人を信じるって、大事だなって思いました』
コメント欄が流れる。
『恋愛相談?』
『何かあった?』
『セラちゃん恋してる?』
星羅は笑う。
『秘密です♪』
でも。
配信が終わったあと。
暗い画面に映る自分を見つめる。
「……信じる」
そう呟く。
「ちゃんと、信じる」
そして。
玲とのトーク画面を開く。
『おやすみ』
少し考えてから。
『大好き』
送信。
今度は。
すぐに返信が来た。
『おやすみ。俺も』
「……!」
星羅の目が見開かれる。
「……俺も……?」
何度も読み返す。
そして。
顔を枕に埋める。
「……もう……」
声にならないほど嬉しい。
頬が熱い。
胸がいっぱいになる。
「玲くん……」
そして。
誰にも見せない笑顔で。
「大好き」
今までよりも。
もっと。
もっと深く。
玲を愛していくことを。
星羅は心の中で誓った。
コメント
1件
ああああ第24話読み終えたよ〜!!😭💕💕 星羅ちゃんの「玲くんと離れるの嫌」ってとこ、もう心臓ギュッてなった…!自分でも重いって自覚しつつ、もっと好きになってくのエモすぎるでしょ!!最後の「俺も」返信きた瞬間の星羅ちゃんの喜び方が尊すぎて画面見ながら叫んだマジで😭🎀 玲くんがちゃんと戻ってきてくれるなら何時間でも待てる…って、この信頼関係の積み重ねが本当に美しいよ!!推せる!!次話も楽しみにしてるね⋆♡