結局、肋骨が何本か折れていて、あたしは大先生の病院に数日間入院する羽目になった。なかなか熱が下がらなくて、一時は結構深刻だったらしい。目が覚めた時はおじいちゃんがのぞき込んでいて、ニヤリと笑って「目ェ覚めたか、志麻。ちと寝すぎだぜ」といつもの調子で言った。その目が真っ赤だったのに、すごく申し訳ない気持ちになった。
毎日お世話に来てくれていた斯波さんやミカの次にちょくちょく来てくれたのは環で、「肋骨が折れるとどんな支障が出るんだ?」とか「マフィアの息子はどんな言動だった? ちょっと演じて見せてくれ」とかメモを片手にやたら熱心に聞いてきた。次回作はマフィアとヤクザの官能BL小説にするらしい。
風間君も環と一緒に顔を出してくれて、あれこれ差し入れしてくれた。
「ほい、コレ。志麻センパイが休みの分の授業のノートな、科目別にしてあるぜ」
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