時に藍、人の想いをどう思う?
そうですね、不確かな、計算では図りきれない物。ですかね
それもそうよね、でも幻想郷では確認していないけれど外では想いでセカイなるものが作られるらしいの。
それはまあ…不思議な事ですね。
人々の恐怖のお陰で生きている私達妖怪が言うのもなんだけど不思議よね────
それは神社でいつもどおり好き勝手していた時に起こった。
ぽかぽか春の陽気に包まれ春告精の相手をしたり置いてあった(箱に入れてあった)せんべいを食べたりしていてなにもなく素晴らしい一日だったと日記に書くぐらいには平和な日だった。
空間に裂け目が現れ辺りにに嫌というか胡散臭い霊気が充満する。
この感じはアイツだ、ていうか絶対アイツだ。こんな霊気特徴的なのを出せるのは相当強い妖怪じゃないと難しい。
「……八雲紫、何しに来たんだ?」
「あらあら、そんな警戒しないで頂戴。今回は貴方、霧雨魔理沙にお願いをしにきました。」
口元を隠すように扇子で覆い隠しながらアイツは言う。
「そうかい、話だけでも聞こうじゃないか。」
アイツを少し睨めつけながらそう言った。
「ふふ、話が早くて助かるわ。」
そう言って扇子をパタリと閉じた。
「単刀直入に言うわ、あなたに外の世界に行って欲しいの。」
「…は?」
「聞こえなかった?」
遂に難聴になったかと自分の耳を疑う。
「…そうかもしれない」
「仕方ないわね、もう一度言うわ、あなたに外の世界に行って欲しいの。」
周りの木々がガサリと揺れ、目の前に木の葉が落ちる。
「にわかには到底信じられないな、大体外に行っても戸籍とかどうするんだよ。」
「安心なさい、理由と一緒にそこも話します。」
でも立ち話もどうかという事で縁側に移動した。
「霊夢はいないの?」
「今は居ないみたいだ。昨日服がなんとか言ってたから香霖堂なんじゃないのか?」
「なるほどね、それじゃあ早速理由を言っていくわ、分からなかったらその都度質問して頂戴。」
「今外の世界には想いで出来たセカイなんてものがあるの。」
「は?外の人間は程度の能力なんてないのにか?」
「そうよ、今幻想郷はその想いのセカイのせいでとてもきな臭い状況なの。あなたも心当たりがあるんじゃない?」
……凄くある、最近紅魔館が幻想郷のもしもに備えて何か怪しい事をしているとの噂も聞いた。
実際にいつもどおり書庫に行ったらいつもより手厚い()歓迎をされた。
それの他にも永遠亭の診療停止の休養、妖怪の山の立ち入り禁止の強化…
「そう、今幻想郷は異変が起きているとも過言ではないの。…霊夢が行けたら手っ取り早かったんだけどね。」
いつになく真剣な眼差しでこちらを見つめる。
「あいにく霊夢は大結界の維持があるから行けないし行かせない。それにあの子は外の世界にきっと馴染めない。」
「貴方だけなのよ。人間で、なおかつ頼みやすくて馴染みやすいのが。」
「お願いできるかしら?」
真剣な眼差しと真剣な声。恐らく私なら断れないと知っていて頼んでいる。
「……外の世界は前々から気にはなった。幻想郷の危機、断わる理由なんてない。二つ返事だ。」
「まぁ!助かるわ。まあ、ここで断ってても連れて行ったけどね。」
「結局拒否権無しかよ。まあいいさ、」
「さて、無駄話も終わりです。早速外の世界に行くわよ。」
そう言いアイツは空間に裂け目を入れスキマを開けた。
無数の目がこちらを見つめておりとても居心地が良いとは言えない。
スキマに足を踏み入れ幻想に別れを告げる。
コメント
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は、東方×プロセカとか......めっちゃ好きなんですけど!!