初対面の日。
「あっついね」
彼女は満面の笑みで話しかけてきたんだ。
「そうですね。」
…………素っ気ない反応をしたのに、彼女笑顔をやめなかった。
「引越してきた蓮くんでしょ?うえのうえの階にいる明華莉!よろしくね!同じ五年生なんだよ。なんだか蓮くん大人っぽいよね。よろしくね!」
え、なんで俺の名前、学年を…ポカンとしてる俺に彼女は
「あ、今なんで、こんな可愛い子が僕の名前を知ってるんだろうー?っておもったでしょ?扉のおじちゃんに聞いたんだ!」
彼女は誇らしげに言う。管理人の事か、
…「よろしく」
敬語を使う相手ではない即座に理解した。
「学校、西?東?」
動き出した口は止まらないようだ
「東……」
「えー、じゃあ明華莉とは違うね、残念…でもよろしくね。」
――――――それから彼女は飽きないのかと思うほど俺に話しかけてきたんだ。
「おっはっよー」
バシッと勢いよくランドセルを叩く。
「おはよう」
「一緒に学校行こうよ」
「逆……」
「あっ、そうだじゃあマンションでるまでね、」
「それに、明華莉なんてランドセル持ってないじゃん」
彼女は相変わらずのうるさい笑顔のまま
「なんとね学校に忘れたのだ。」
なんてやつ、、、何しに学校へ行ってるんださ小学生でも長い階段を降り、
「じゃあねまた!」
いつの間にか彼女のペースになる。
「じゃあな蓮、また明日ー」
公園の角で友達と別れ、帰路にもどる。ふと公園をみると、みなれたポニーテルの後ろ姿、別にきになった訳ではない、ただいつも上しか見ないような彼女がうつむいてブランコに揺られでいたから気になっただけだ。
「おい、なにしてるんだ。」
「わっびっくり‼︎もー急に後ろたたないでよ」
笑顔で怒っている。
「学校終わるの早いな」
「特別授業で早い日なの。蓮くんも早いね。」「?いや普通に五時間授業だよ。」
明華莉は真っ直ぐな目で、
「寄り道しようよ!」
_______「おい、どこまでいくんだよ。」
商店街を抜け、林を抜け、辺りは畑しかない場所だった。
急に、
「蓮くん、目を閉じて‼︎」
反射的に対応できなかった、俺に対して、にえきったのか、後ろから、おれの目を隠す。
「なんだよ。。。」
後ろから目を隠されると、歩きにくいし、距離も近い。戸惑ってる俺は気にもせず、
「あと、十歩前くらい、あ、もうちょい右ね、そのまま真っ直ぐ、」
曖昧な指示を出す。
「オッケー到着!開けるよ、3、2、1,」
急に視界が明るくなり眩しかった。
そこには、畑の先にあるとは、思えない、綺麗な庭?があった。
「なんだここ、、、」
庭といっても花はないが緑が一面に綺麗に生い茂り、真ん中には自然の木でできたのであろう、小さいツリーハウスのようなものがあった。
「私の秘密基地なんだ。」
「秘密を教えたら秘密じゃなくなるぞ」
「蓮は友達だから、」
恥ずかしげもなく、明華莉は言った。小5にもなって漫画のキャラみたいだ。
ツリーハウスの中にはいると、涼しかった。周りが緑で覆われてるだからだろう。中には小さい歪なテーブルと小さい椅子が二つあった。
「ここ、明華理が作ったのか?」
「いや、元々あった。」
「え?勝手に入っちゃダメだろ。」
「近くの畑の持ち主に聞いたら、凄い前からあるんだって、緑が凄い綺麗だからそのままにしてて、ここで遊んでもいいって‼︎」
「許可はとってるのか」
「うん!私の好きな場所の一つ」
秘密基地感はあるし、こういう場所が好きない男子多いだろうな、、、まぁ、俺も嫌いじゃないけど、、。
「もうすぐ夏休みでしょ、だいたいここにいるから、遊びにきてよ。」
まるで、自分の家のようだ。
「きてやってもいい、、」彼女は笑顔でよろこんだ。
秘密基地のおかげで俺たちは、仲良くなったんだ。
まさか、夏休み最終日に悲惨な事件が起きるなんて、もちろん思いもしなかった。
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