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私
の妹は、いつものように私の部屋へやって来て、勝手にベッドの上に座った。それから本棚を見つめながら「お兄ちゃんはどんな小説が好き?」なんてことを訊くものだから、「僕はなんでも読むよ」と答えたら、彼女は「じゃあ今度貸してあげるね!」と言った。
その数日後にはもう本の貸し借りが行われていて、私は妹が選んだ本を読まなければいけなくなった。
私は彼女に嫌われたくなかったし、彼女に対して優しくありたいと思っていたけれど、同時に彼女のことが苦手だった。
だから私はなるべく彼女と距離を置きたがっていたのだが、彼女がそれを許さなかった。
しかしある時を境に、私たちは互いの部屋に行き来することがなくなった。
理由は単純明快。私がただの人間だからだ。
私は人殺しにはなりたくない。人が死ぬところなんて見たくもない。平和主義者なのだから当然である。
しかし、同時にこうも思う。ならばなぜ私は人を殺せる武器を手にしているのか? 矛盾しているが、それが事実なのだから仕方がない。その答えは――
(お前は殺人鬼になるんだよ)
頭の中に響く声が告げた。
そう、私はこの声に従うことにした。私自身の意思で。
自分の命を守るためではなく……大切な人の命を守るために。少年は戦場へと駆け出す。
―――それは、とある国のお話。
平和だった国に現れた突然の戦火により国は荒れ果てた。民たちは飢えに苦しみ、明日の命すら危うかった。
ある日のこと、天から一人の男が舞い降りた。男は不思議な力で雨雲を呼び豪雨を降らせた。
そのおかげで国が救われると人々は喜んだ。しかし次の瞬間、今度は雷鳴と共に巨大なドラゴンが現れた。
ドラゴンは口から火を吹き街を燃やし尽くしていく。炎に包まれる中、逃げ惑う人々の中から一人の少女が現れて叫ぶ。
『誰か助けてください!』
少女の声を聞いた時、男の体に異変が起きた。体が熱くなり力が湧き上がる感覚を覚えた。そして気がつくと、目の前には燃え盛る建物があった。
いつの間にか自分は建物の中にいて、自分がやったものだと理解するのに時間はかからなかった。
その時、男は自分の本当の名前を思い出すことができた。同時に記憶を失い今まで何をしてきたのかを思い出した。
そして男はドラゴンと戦う決意をした……。
***
それから数年後の王国に、「騎士」と呼ばれる少年がいた。その実力は騎士団の中でも群を抜いており、誰もが憧れた。しかし当の本人はそんな周囲の視線にうんざりしていた。なぜ皆が自分に注目するのか理解できなかったからだ。
そんなある日のこと、騎士は王都から離れた辺境の地へと赴くことになった。そこは王国屈指の難所として知られていて、凶悪なモンスターの巣窟となっていた。そこで騎士は、一振りの剣と出会うことになる。
―――剣の名は『エクスカリバー』。かつてこの国を救った英雄の名を冠した聖剣だった。
剣との出会いをきっかけにして、騎士の心に変化が訪れる。それは次第に大きなものになり、やがて彼の運命を大きく変えることになる。……そして時は流れて現在。物語は新たな局面を迎えようとしていた。
―――これは、一人の青年が運命を切り開く物語。
―――これは、たった一人で戦い続ける孤独な戦士の物語。
―――そしてこれは、『勇者』と呼ばれた男が紡ぐ、愛と勇気の冒険譚である。
【登場人物】
*主人公* ◆アルス=マグナ(15歳)
本作の主人公。黒髪で右目に眼帯を付けており、腰には二刀の短剣を差している。
性格は冷静沈着で、物静かな性格をしている。一方で自分の意思を貫くために戦うこともある。
◆リリィ
(年齢不詳)
外見年齢は12~13歳で、金髪の長い髪をしている。見た目は可愛らしい少女に見えるが、実際は魔族の少女。魔王軍幹部の一人でもある。
性格は天真爛漫で明るく、元気いっぱい。また悪戯好きでよく主人公の部屋に入り込んでくる。
◆ルシア=ハーティリウス(16歳)
ハーティス公爵家の三女。本編の主人公。
物語開始時点で『剣姫』の称号を持つ。
髪色は黒に近い濃い紺色で瞳の色は青灰色。
身長160cm/体重45kg。スタイル抜群。
一人称は私(わたくし)
二人称は貴方様。
【容姿】
顔立ちはかなり整っており美人と言えるレベルではあるが、どこか幼さを感じさせる容貌をしている。しかし彼女の纏う雰囲気から年相応に見られることは少ない。
その外見からは想像できないほど大人っぽく落ち着いた印象を与える少女である。
また彼女には謎が多い。
◆レジーナ=リレイア(17歳)
『聖女』と呼ばれるハイエルフの少女。
髪色は金色で瞳の色も金色。
身長165cm/体重50kg。
胸のサイズが大きいことが悩みらしい。
一人称は私(わたし)
二人称は~さん。
【容姿】
年齢は見た目では判断出来ないが実年齢は不詳。
長い金髪と尖った耳が特徴の女性。
エルフ族の中でもかなり珍しい存在である。