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第18話、読んでいただきありがとうございました!
今日はけちゃ目線です✨
ちぐと会社を後にしてから、僕はずっと引っかかっていた。
外は梅雨さながらのあいにくの天気で、ヒカリエのビルの中にいても雨の音が聞こえてくる。
いつもなら、この雨の中家に帰るのも憂鬱なんだけど、そんなこと今の僕の頭にはどうでも良かった。
💚(「まぜ太、本当はけちゃおのことめちゃめちゃ気にしてる。今は気にしすぎて、アイツもどうしたらいいのか、わかんない状態にいるんだ」)
まぜちを待とう、と約束した時、ぷりちゃんから言われたこと。
僕がポンコツすぎて、幾度となくまぜちには頭を抱えさせてきた。
そういう時は決まって、まぜちは僕に、イライラもむしゃくしゃも全部話してくれていた。
僕のことを気にしすぎて悩む。
これはつまり、僕に関することでまぜちは悩んでいる。
だから余計に、僕に話してくれないのは、やっぱりモヤモヤした。
ビルに雲がかかっていて、真下に行っても上層階を外から確認できないような不安感。
あまり良い気がしない。
あの後、会社から帰っている途中に、急にちぐがご飯に誘ってくれた。
だけど、モヤモヤはやっぱり僕の頭に残ったまま。
上の空になりながら料理に手をつけていたら、気づけば、僕は目の前のお皿を平らげていた。
ふと、この時、僕の隣にまぜちがいて、めっちゃ僕のことをいじってくる声が聞こえてくるような気がした。
💜(「けちゃおお前、食うの早すぎだろwwww」)
やっぱり、まぜちがいないと少し寂しいな。
それをちぐも感じ取ったのか、躊躇いがちに話を切り出した。
💙「俺、どうしたら、まぜたんがけちゃに前みたいに関われるか考えてる。
俺だけじゃない、あっきぃも、ぷりちゃんも、あっとくんも。」
ちぐもみんなも、僕の思っていた以上に、この疑問に頭を捻ってくれていたことに驚いた。
誰一人として、置いていかないように立ち回れるメンバーは、苦手なことが多い僕にとってすごくありがたいことだ。
本当にアンプってすごいけれど、やっぱり少し申し訳ない。
このことを、僕が考えているとはつゆ知らず、ちぐは話を続ける。
💙「だけど、全然何も浮かばない。でね、一番まぜたんのこと理解しているのはけちゃだから、けちゃのわかる範囲でまぜたんのこと聞きたいの」
今までの僕だったら、もう二度とまぜちと接することができないと諦めていた。
でも、僕は今、まぜちを救いたい。
そう思えたのは、まぜちがいたから。
🩷「あのね、多分、今のまぜちは僕とのやり取りは嫌じゃないっぽい。僕がLINEを送っても今までとやっぱり変化なかったの。」
そして、その前にちぐに聞くことがあった。
僕の推測に確信が欲しかった。
🩷「それと、ちぐ、まぜちのこと、何かわかったの?」
ちぐは、少し驚いて、目線を落とす。
それから、言いにくそうに不安の入り混じった声で語った。
💙「ぷちゃんから聞いたんだけど、実はまぜたん、けちゃとのやり取りが恋愛ぽく見られてしまって、違和感がするって話していたみたいなんだ。それでけちゃと関わりづらくなって、けちゃのことを避けるようになったんだ。」
それを聞いて、僕は確信した。
まぜちがこのことを話せない理由、それは僕と関わりたいけど、このことを話すと逆に関わりづらくなるから。
それは僕にも覚えがあった。
なぜなら、僕もリスナーのみんなの切り抜き動画を見ていたから。
友達でもハグしたり腕を組むことだってある。
もちろん、僕はまぜちのことが好き。
生まれてきてくれてありがとうって思ってる。
だけど、好きってたくさんある。
愛ってたくさんある。
友達の中にも、家族の中にも。
そして、一緒に苦楽を共にするメンバーにだって。
イルミネーションは恋人のためだけにあるものじゃない、それと同じ。
まぜちはそれを僕に話さないまま、僕と接していたけど、逆に自分でこじらせちゃってる。
🩷「なるほどね、」
ちぐは黙って目線を落としたままだ。
一息ついて、僕は僕の答えを話してみることにした。
🩷「僕ね、感じるんだ。きっとまぜち、僕と関わりたいって思ってくれてる。」
ちぐが話してくれたこと、まぜちの行動、全てが僕の中でつながった気がする。
自信はない、けれど、伝えないと。
これが僕が今できることの一つ。
🩷「僕とまぜちの絡みは恋愛感情とかじゃなくて、僕たちは『けちゃまぜ』っていう『化学反応』だと思う。」
僕たちの関係は『化学反応』。
これは、ちぐがご飯に連れ出してくれて気づいたこと。
美味しい料理だって、色んな調味料や食材と化学反応を起こして最強コンビができるように、僕たちだって化学反応したことで僕たちの最高を引き出せる最強コンビなんだ。
しかも、僕が可愛いってことが広まったのは、まぜちのおかげ。
🩷「多分、これが僕たち二人の一番しっくりくる関係性の名前なんだ。直接本人に伝えたいけど、今の状態だと僕はまぜちにきっと逃げられちゃうとけどね。」
それを聞いたちぐは、ゆっくりうなづいて納得したみたい。
💙「なるほど、『化学反応』か。確かに、すごいしっくりくるね。
ありがと、けちゃのくれたヒントを使って俺なりに何か動いてみる。」
そうして、ちぐとのゲリラご飯会はお開きになった。
ぷりちゃんと話してから、まぜちを待つって決めた。
だけど、それだけじゃきっとまぜちの心を開くには、鍵が足りない。
だから、一か八か、今までのように、まぜちにLINEを送ることにした。
そうして、今夜もまぜちと連絡をとる。
「まぜち〜」ってただ名前を打つだけ。
それから、そっと画面を閉じて、僕は眠りにつく。
どんなにまぜちが辛くなっても僕がいるからね。
そう伝わることを願って。
ゆっくりでいいんだ。
今、僕にできることはここまで。
君の凍えている心をほんの少し温められれば、それでいい。
あとがき
6人の視点でどんなお話が展開されているのか一旦整理してから、お話書いてます!!(整理し直したおかげで投稿遅くなっています汗)
登場人物のみんなは個性爆発ユニットらしく大暴走。
最後までお話の中のみんなのこと見届けたい📣🩷💜❤️💛💚💙🌈