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第43章「予兆」
地球防衛戦から数日。戦場の煙は晴れ、世界にわずかな静寂が戻りつつあった。
それでも、誰もが分かっていた。
まだ終わってなどいない――本当の脅威はこれからだ。
ゲズたちは地球の再建に協力しながら、次なる動きに備えていた。
「リオンの復活は、まだ兆しもない……」
セレナは空を見上げながら、そっと言った。
その隣で、ゲズは拳を強く握る。
「ルシフェルがこのまま黙ってるわけがない。奴は俺たちが疲弊するのを待ってる。」
そこへ、ウカビルが静かに歩み寄る。
「敵の本拠地は、まだ地球のどこかに隠されている。奴の正体と、力の源も……」
「探すしかないってことか。」
ゲズがそう言いかけた瞬間――
全員が一斉に空を見上げた。
「……っ!?」
空が、一瞬だけ黒く染まったのだ。
まるで“影”が一瞬、太陽を覆い、そして消えた。
「今のは……?」
セレナの声が震えていた。
「違う……あれは、ルシフェルじゃない……。もっと……底知れない“何か”だ……。」
ゲズの胸に、冷たいものが流れ落ちた。
説明のできない不安、心を鈍く締め付ける圧力。
ほんの一瞬の出来事――だが確かにそこに“いた”。
「気のせい、じゃないよな……?」
「……いや。これは何かが、目を覚まそうとしている。」
ウカビルの声には、深い憂いと恐怖がにじんでいた。
それが、“闇の王”サタンの存在する世界の扉が、微かに揺らぎ始めた証だとは、まだ誰も知らなかった。
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