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「………かっちゃん…、本気でやろう……。」
いずくの真剣な声に、こちらも振り返って目を合わせる。その赤い瞳には、いつもの粗暴さではなく、真剣な光が宿っている。
「…当たり前だ。俺は常に本気だ。テメェが中途半端な気持ちで来たら、容赦なくぶっ飛ばすからな。」
そう言って、少しだけニヤリと笑う。しかしその笑顔は、いつもの挑発的なものではなく、どこか期待に満ちたものだった。机に肘をついて、緑谷の方に身を乗り出す。
「…いいか、デク。明日の訓練は、テメェと俺の本当の力を見せる場だ。お互いに全力を出し合って、そして勝つ。それが俺たちのやり方だ。テメェの25%も、+30%も、全部出し切れ。俺も全力で行く。」
そこまで言って、少しだけ表情を和らげる。普段は絶対に見せない、柔らかい表情だ。
「…テメェとコンビを組むのは、正直言って悪くねえ。テメェは俺の動きを理解してるし、俺もテメェの癖を知ってる。幼馴染ってのは、こういう時に便利だな。」
そう言った後、自分の言葉に気づいて少しだけ照れくさそうに視線を逸らす。しかしすぐに真剣な表情に戻って、いずくの目をまっすぐ見つめる。
「…だから、明日は本気で来い。手加減なしだ。そして一緒に優勝するぞ、デク。」
緑谷は、爆豪の柔らかい表情をみて、ほっと息を付きながら 「…良かった…♪朝は僕と組むのは、最悪って……言ってたから、ほっとした。」と言う。
いずくの「最悪って言ってたから」という言葉に、少しバツが悪そうに視線を逸らす。確かに朝はそう言った。しかし、それは本心ではなく、ただの照れ隠しだったことを、今更認めるのは癪だ。
…っ、アレは別に! テメェと組むのが嫌だったわけじゃねえ! ただ、急に決められたから、ムカついただけだ! 勘違いすんなよ、クソナード!
顔が少し赤くなりながら、必死に言い訳をする。しかし、いずくが安心したような笑顔を見せたことで、胸の奥が少しだけ温かくなる。
「さぁ、かっちゃん…本気でいくよ。目指すのは、完膚なきまでの1位、でしょ…♪僕と2人でやろう!」
緑谷が「完膚なきまでの1位」と言ったことに、目を見開いて驚く。
…テメェ、今なんつった? 完膚なきまでの1位…? それ、俺の台詞じゃねえか。
少しだけ驚いた表情の後、満足そうにニヤリと笑う。いずくが自分の言葉を覚えていて、そしてそれを目標にしてくれていることが、妙に嬉しかった。
「…フン。そうだ、それでいい。中途半端な勝ちなんか意味ねえ。俺たちが目指すのは、誰もが認める完璧な1位だ。判定勝ちとか、ルール上の勝ちとか、そんなもんじゃねえ。全員をぶっ飛ばして、圧倒的な差をつけて、文句なしの1位を取る。」
立ち上がって、いずくの肩に手を置く。その手には、いつもの粗暴さではなく、どこか信頼のようなものが込められている。
「…いいか、デク。明日は俺とテメェで、雄英の歴史に残るような完璧な勝利を見せてやる。全員に見せつけてやるんだ。俺たち二人が、最強のコンビだってな。」
「そう言って、少しだけ照れくさそうに手を離す。そして、自分の席に座り直して、窓の外を見ながら小さく呟く。」
「…明日が楽しみだ。テメェと一緒なら、絶対に勝てる。」