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夜なのに、部屋はやけに明るい。
テレビの音量は少し大きめ。
ソファの上で大の字になっているのは
佐久間大介。
その横に座るのは
向井康二。
佐久間の家ーー
🩷「はいはいはいはい!暗い顔禁止ー!」
佐久間は勢いよく立ち上がり、康二の頬を両手で挟む。
むぎゅっ!!
🧡「うわ、なにすんねん!!」
🩷「元気チャージ!!」
ぐしゃぐしゃと頭を撫でる。
肩を抱く。
距離が近い。遠慮がない。
それは“いつものノリ”。
🩷「また喧嘩ーーー?」
康二は苦笑する。
🧡「まぁな」
🩷「もー!そんなやつほっとけ!」
大袈裟に言ってみせる。
康二が少し笑う。
その笑顔が欲しくて、佐久間はもっと騒ぐ。
🩷「ほら、映画観よ!ポップコーンあるよ!甘いのとしょっぱいの両方!」
テンポよく、空気を変える。
でも、
映画の明かりに照らされた向井の横顔は、やっぱり寂しく見える。
佐久間はそっと肩を寄せる。
🩷「泣きたいなら泣いていいよ?」
軽く言う。
――ねえ、康二…分かってる?
泣きたいのはこっちなんだよ。
康二が他の誰かで傷つくたびに、
笑って励ますの、簡単じゃないんだよ?
康二が小さく息を吐く。
🧡「さっくんってさ、ほんまポジティブやな」
🧡「元気出るわ」
🩷「でしょー?」
🩷「もっと頼っていいんだよー??」
そう言うけど…
本当は“余裕な素振り”してるだけ。
康二が少しだけ、佐久間の肩に寄りかかる。
その体温に、心臓が強く打つ。
よしよし、と頭を撫でる。
いつもより、少しだけ長く。
🩷「大丈夫だよ」
“大好き”
喉まで出かかる。
でも、飲み込む。
だって康二には、帰る場所がある。
佐久間は明るく立ち上がる。
🩷「よし!アイスも食べようか!」
悲しみも嫉妬も見せないように振る舞う。
──────────────
帰り際。
玄関で、康二が振り返る。
🧡「今日はありがとな、さっくん」
無邪気な笑顔。
ドアが閉まる。
静かになる部屋。
佐久間はソファに倒れ込む。
天井を見つめて、ぽつり。
🩷「……俺のほうが好きなのに」
涙は流さない。
だって明日もまた、笑って迎えたいから。
つづく。🧡💚