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✿紫視点
次の日
昨日、連絡先を交換したあっとから
これからパートナー解消の話をしてくるとの連絡をもらう
念の為に俺はあっとに、話し合いをするにあたってのアドバイスをいくつか提案した
1、話し合いは家ではなく外、出来れば他の人もある程度居る飲食店など
2.時間は1時間以内、なるべく短時間で
3.終わったらすぐに連絡すること
どれもあっと自身を守るために必要な事だ
相手が逆上して何するか分からないから
幸いにも・・・あっとは全て了承してくれた
俺は了解と返事を送ってから、スマホを上着のポケットにしまい
あっとが待ち合わせてる店とは向かいの別の喫茶店に入り窓際の席に座る
何事もなければ良いんだけどな・・・
そして40分ほど時間が経った頃
スマホにあっとから話し合いが終わったから今から店を出るという内容のメッセージが届く
【お疲れ、向かいの喫茶店に居るからおいで】
と 返事を返して、少しの間待っていると入店音と共にあっとがやって来た
「あ、あっと!こっち」
「! こんな近くに居てくれてたの?」
「まぁ、気が気じゃなくてさ・・・」
「そっか、ありがと」
店員がやって来て
あっとが飲み物を頼むついでに俺もコーヒーのおかわりを頼む
「解消、してもらえたよ」
「・・・!そっか、良かった」
何となく・・・こちらからは切り出しづらくて
届いたコーヒーを見つめていると 彼の方から話し合いの結果を教えてくれた
「・・・大丈夫だったのか?」
「え?」
パートナーの解消が出来たという喜ばしい結果なはずのに、あっとの顔は何処と無く暗い表情なのが気にかかった
「・・・なんか言われた?」
「まぁ・・・やっぱり急に解消して欲しいって言ったからあの人少し怒っちゃって・・・『どうせSabはDomに寄生しないと生きていけないくせに、恩知らずだな』って・・・言われた」
「・・・っ」
「確かに、1番最初は助けてくれたけど・・・でもそれからは・・・」
あっとの手が少し震えている
今までも恐らくこういう風に酷い事を言われたりされてきたんだろう
震えが止まるように手を重ねる
「これからは俺が居るからさ、もうあいつの事は全部忘れよ?」
「・・・まぜ」
「恋人兼パートナーにようやくなれたんだから」
「・・・こ、恋人・・・?! そ、そっか・・・」
え?何その思ってもなかったって反応・・・
だって昨日お互いに好きだって言ったよな・・・?
・・・あ、言っただけで付き合うとかは話してなかったっけ・・・?
「・・・嫌なん?」
「嫌じゃない!むしろ嬉しい・・・よ」
逸らしたあっとの顔はさっきまでの浮かない表情とは打って変わって、めちゃくちゃ赤く染まっており
心の底から愛おしく感じる
「そうだ、あっとって今一人暮らしだよな?」
「え、あ、うん、そうだけど」
「じゃあさ、俺の家に一緒に住まない?部屋余ってるんだよな」
「一緒に・・・同棲ってこと・・・?」
「言い方変えればそう」
あーもうついに下向いちゃったよ、なんでこんなにいちいち可愛い反応するんだ
こんなの離したく無くなるに決まってるし、 別々の家に帰るなんて絶対嫌だわ
「よ、よろしくお願いします・・・」
「ん、引越しが終わって落ち着いたら諸々決めること決めないとだなー」
「?」
「あーまぁまぁ 」
「あ、そうだ・・・俺猫飼ってるんだけどまぜは猫平気?」
「平気だよ、俺の家犬居るけど・・・」
「仲良く出来たら良いなぁ」
荷物の整理や手続きなどもあり、
あれから数日が経って やっとあっとが俺の家に越してきた
そして今は届いた荷物を片付けている最中なのだが
「もっちゃん、ダメでしょそれで遊んじゃーめっ」
怒り方可愛すぎん????めって・・・
「おもちゃはこっち、ほら」
「おーい、あっとー遊ぶなー」
ついには猫と遊び始めちゃったよ
まぁ言うてあとは少しだけだし、可愛いから全然良いんだけど
日が暮れる頃には荷解きも無事終わり
俺たちはリビングでソファに座りまったりと過ごしている
「んー、終わったぁー!」
「途中遊んでた奴も居たけどなぁー?」
「もっちゃん言われてるよ」
「お前の事だけど??」
そんな事を話していると急に膝に重みがきて何かと思い下を向くと
あっとが俺の膝に頭を乗せて横になっていた
ようは膝枕状態だ
思い返せば最近は引越しの準備で忙しくて全然Playも出来ていなかったことを思い出す
「・・・甘えたくなった?」
「ん・・・」
「よしよし『Good boy(良い子)』」
優しく髪を撫でてCommandを使うと、とても嬉しそうに笑ってくれる
「やっぱり、あの人とは全然違う・・・」
「そうなのか?」
「うん・・・まぜに言われた方が凄く満たされる感じがして・・・幸な気持ちになる・・・」
「・・・そっか、なら良かったよ 眠いなら寝ていいぞ?」
疲れが出たのか、うとうととしているあっとにブランケットを肩まで掛けてやる
「じゃ、少しだけ・・・すぅ」
「・・・おやすみ」
学生の時から想い続けていた彼と
こうしてやっと、恋人でもありパートナーとして一緒にいる事が出来て本当に嬉しい
俺は生涯あっとのことを手放すことはないだろうな
絶対に
何が起こったとしても必ず守るよ
あっとの可愛い寝顔を見ながらそう心に誓った