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絡め取ろうとする舌から必死で逃げようとするけれど、よけいに奥へ奥へと舌は入り込んでくる。
「んっ…やめ…」
「……やめて…いいのですか？」
一瞬、引きかけた舌先に、
引き付けられるように、自らの唇が追いすがった。
「……してほしいと、体の方はねだっているようですが……」
低く囁かれ、再びしっとりと濡れた唇が、勝ち誇ったかのように押しあてられる。
冷たく体温さえ感じられないような無感情な手が、私の髪を撫で、耳を弄る。
「……身を委ねなさい、私へ…」
支配的なセリフに、思わず顔をそむけると、
ちゅぷっという湿った音とともに、耳元へ唇が付けられた。
「い…やっ…」
「嫌なわけが、ないですよね？ ……そんなに腰を浮かせて、私の胸に抱きついてきて……」
耳にぴったりと吸い付いた唇から、響くひそめられた声音が、身体をじわじわと責め立ててくる。
逃れられない……悪魔のようにも責める男から。
頭では逃げたいと思うのに、どうしても身体は逃れられなかった……。
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