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若太郎
12
#塩レモン
🎀
172
sd side
俺はずっと前から仁人のことが好きやった。1番長く傍に居るのは仁人だし、仁人の相手といえばやっぱり俺だと思う。だからきっと、仁人の1番も俺であるはず! なんてあの時が来るまでそんな妄想に近い思いを抱いていた。
最近、仁人に恋人が出来たらしい。しかも男。仁人の前ではちゃんと祝福した。でも心の底からは到底祝福なんて出来るわけなかった。俺じゃダメだったのかな、とか早く思いを伝えていたらもっと結末は変わったのかな、とか。今更、いくら考えても無駄だと分かっているのに頭の中はその話題で埋め尽くされている。
yjt だいちゃん、大丈夫?
sd ぁ、ごめん考えごとしてた!
sd 大丈夫やで!!
yit …じんちゃんのこと?
sd え?
yjt ねぇ、俺じゃダメなの?
理解が追いつかない。柔太朗に仁人のことが好きだったことがバレてて…? いや、それより「俺じゃダメなの?」なんてまるで柔太朗が俺のことを好きみたいやん。冗談だと思いたかったけど真剣な目で見つめてくる柔太朗を見たら冗談とはとてもじゃないが言えなかった。
じゃあ、柔太朗は俺のことが好きで…? いつから? 俺が仁人を好きなこともずっと前から気づいてたの? だったら辛すぎる。報われないって分かってるのにその人を思い続けるなんて辛いに決まってる。柔太朗には申し訳ないけど、仁人に恋人が出来たと聞いた時から心にぽっかり穴が空いてしまうような感覚があった。その穴を埋めるために…とか、都合が良すぎて自分が嫌になってしまう。
yjt 俺、ずっとだいちゃんが好きだったけどだいちゃんには好きな人が居たから…
yjt だから、都合のいい関係でもいいから
yjt それでもダメ?
sd …だめ、じゃないけど
sd でも都合のいい関係とかは柔太朗に申し訳ないから嫌だ
yjt そっか
yjt やっぱりだいちゃんは優しいね
俺はそんなに優しい人ではないのだからそんなにも純粋な瞳で見つめないで欲しい。自分の汚い部分が見えてしまうから。俺は心に空いてしまった穴を埋めるためにやったのに。仁人の分を柔太朗で埋めようとしてしまう自分の愚かさに嫌気が差す。仁人の替えなんて居ないと分かっているのに。
そういう関係を持ってみたら気持ちも変わるかも、なんてそうできるなら俺もそうしたいよ。…まぁ、やってみないと分からないか。
・
・
・
yjt その、夜の方も…なんて無理だよね
sd ええよ
yjt え?!
sd …今日の夜とかにするか
yjn 、うん!
あぁ、好きでもないとこんなにも簡単に嘘をつけるのか。柔太朗なら良い、っていうのは本当だけど別にそういうことをしたい訳ではない。この心が少しでも満たされるなら、それでいいんや。
最低なことをしている自覚はある。それでも仁人のことが忘れられない。柔太朗ももちろん大切な人だし、大好きだけど多分そういう目では一生見れないのだろう。柔太朗を騙して、自分の気持ちにも嘘をついて、ほんまにくだらない。…本当に好きになれたらどれほど良かったんやろうか。なかなか仁人を忘れられない自分に悲しくなる。
yjt だいちゃん、準備できたよ
sd …俺が下、やるんよな?
yjt うん、お願いしていい?
sd ええよ
sd …なぁ、もう全部ぐちゃぐちゃにしてや
こんなときでさえ”ハジメテ”は仁人が良かったな、とか今更どうにもならないことばかり考えてしまう。それが良くないことやと分かっていても。あぁ、ほんまにいまから柔太朗とそういうことするんや。…どうでもいいはずやのに涙が出てきそうになる、怖い。
ほんまに柔太朗のこと好きになれてないのにこんなことしていいん? ちゃんと柔太朗に満足させられる? 痛くない? 頭に疑問がぐるぐる浮かび上がってくる。柔太朗に余計な心配かけさせたくないのに、ほんまにダメやなぁ…俺。
yjt side
yjt 俺、優しくできるように頑張るから
yjt 大丈夫、怖くないよ
sd …怖がってるってバレちゃった?笑 ( 涙目
yjt うん
yjt だいちゃんは分かりやすいから
sd そっか
君があまりにも寂しい目をするからそれに寄り添えるように優しく触れる。「ぐちゃぐちゃにして」なんて本当は怖がってるのにきっと動画か何かで俺を喜ばせるために覚えてしまったのだろう。俺はだいちゃんが幸せなのが1番嬉しいのに。
…それでも一瞬、この弱みに漬け込んでしまったらだいちゃんを俺が好きなようにできるのかな。とかくだらないことを考えてしまった。いや、俺はもう弱みに漬け込んでしまっているのかもしれない。本当に、だいちゃんは可愛い。そんな君を手に入れるためだから弱みに漬け込むとかそんなことをしてしまうのかもね。そしてやっぱりそんなことをしてしまう俺は弱い。
yjt 、痛くない?
sd ッ、ぁ きもち ♡
sd じゅう、ッ ♡
熱に踊らされる君があまりにも愛おしいからおかしくなってしまいそうになる。俺の名前を呼んでいる、それだけで充分すぎるぐらい幸せだ。本当に、君が俺のものになってよかった。
…だって、じんちゃんも最初は君のことが好きだったんだから。でも俺はだいちゃんの恋心にも気付いていたから奪われたくなくて、嘘をついてしまった。案外じんちゃんはすぐ諦めた。きっとだいちゃんを傷つけたくなかったのだろう。じんちゃんは優しいからいつかはそうするとは思っていた。本当に最低なことをしたとは思っている、だけど後悔はしていない。だっていまだいちゃんを抱いているのは俺なのだから。
コメント
2件
あー、これ…すごく重いけど、すごく好きだわ。 sd(だいちゃん)が仁人のこと忘れられなくて、心にぽっかり空いた穴を柔太朗で埋めようとしてるのが痛いほど伝わってきた。「ぐちゃぐちゃにして」って強がってみせたあとの涙目が切なくて…それを受け入れる柔太朗も「弱みに漬け込んでる」って自覚してるのがまた苦しい。 最後の「じんちゃんも最初は君のこと好きだった」で全部ひっくり返る感じ、鳥肌立ったわ。続きが気になるー!🔥